今回のお題は、キヤノンの高画質コンパクトデジカメ「PowerShot G3 X」だ。レンズ一体型の高画質コンパクトで定評のある1型センサーを搭載しつつ、35mm判換算で600mm相当までカバーした高倍率ズームレンズを搭載するのがポイント。一眼レフ風のネオ一眼スタイルではなく、コンパクトデジカメやミラーレス一眼に似たコンパクトな箱形ボディーを採用するのも特徴だ。ふだん、ネオ一眼スタイルの1型センサー機を愛用している落合カメラマンは、優等生的な完成度の高さを実感しつつも、微妙に感じた点もあったという。

 ワタクシ、フィルム時代からすでに、スキあらばコンパクトカメラで仕事をしちゃおうと思っていた不届き者であります。今から25年ぐらい前、台風が来ている中での取材となったとき、コニカの「現場監督」(防水と耐衝撃性に長けるプロテクターがっちがちの工事現場用コンパクトカメラ)でウキウキしながら急場を凌いだことがあるのはそのため。そういう場面じゃないとイイワケできなかったからね。

 ってなワケで、いまもコンパクトカメラを買うことをヤメられず、コンパクト系のカメラを常に持ち歩くこともヤメられない。いや、その傾向は、デジタル時代になってからよりいっそう顕著になっているといっていい。コンパクトカメラの利便性がフィルム時代とは比較にならないほど向上しているからだ。画質の劇的な向上と高倍率ズームの装備。現代コンデジの魅力は、この2点に集約されていると思う。

 キヤノンの「PowerShot G3 X」は、いま現在という時間の中で、このふたつの魅力を両方いっぺんに、てっぺんへ到達させようとしたモデルであると想像する。っていうか、実際に使ってみてそう思った。スクエアなスタイルに、1型センサーと24-600mm相当(F2.8-5.6)の光学25倍ズームレンズを搭載する構成は実に戦略的。EVFは別売の外付けと割り切り、一眼レフふうのシルエットにすることなく、しかし光学領域の広い高倍率ズームを装備することで、先行するソニーのDSC-RX10やパナソニックのDMC-FZ1000との差別化を図っているのだ。

キヤノンが6月下旬に発売した「PowerShot G3 X」。35mm判換算で600mm相当までカバーする高倍率ズームレンズをスリムボディーに搭載したのが特徴だ。実売価格は9万5000円前後。外付けのEVF(電子ビューファインダー)が付属するEVFキット(限定5000台、実売価格は10万5000円前後)は完売が近いようで、品薄になっている
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 とりわけ、ソニーのRX100シリーズと初代RX10の存在は相当に意識していたハズ。そのことは、8カ月ほど先行して発売されていた「PowerShot G7 X」を見れば丸わかり~! G3 Xも露出補正ダイヤルの佇まいがRX10とクリソツ~~! どんだけ~~~(古っ)。たぶん「スリムなRX10」を作りたかったんじゃないかな。いや、無責任な妄想ですけれど…。