食、医療など“健康”にまつわる情報は日々更新され、あふれています。この連載では、現在米国ボストン在住の大西睦子氏が、ハーバード大学における食事や遺伝子と病気に関する基礎研究の経験、論文や米国での状況などを交えながら、健康や医療に関するさまざまな疑問や話題を、グローバルな視点で解説していきます。
 厚生労働省は2015年1月に、10年後の2025年には認知症の高齢者が700万人(5人に1人)になるとする推計値を示しました。日本の行政の対策も急務ではありますが、米国では認知症を予防できるという食事法に注目が集まっています。

2つのダイエットを組み合わせて誕生したMINDダイエット

Photo:ddpavumba
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 米国では、認知症は死因の第6位になっています。現状のままでは10年後には5人に1人が認知症に罹患すると言われる日本と同様に、米国では認知症の予防が優先度の高い公衆衛生上の課題になっています。

 そんななか、食事による予防法に期待が集まっているのです。


 心臓病の予防として評価の高い地中海式ダイエット(Mediterranean diet)とDASHダイエット(Dietary Approaches to Stop Hypertension)は、認知機能の低下も予防することがこれまでに報告されてきました。

 そこでシカゴのラッシュ大学メディカルセンターの研究者らは、2つのダイエットを組み合わせた、「MIND(Mediterranean-DASH Intervention for Neurodegenerative Delay)ダイエット」という、認知症を予防するための新しいダイエットを考案。アルツハイマー病協会が発行する雑誌「アルツハイマー病と認知症(Alzheimer's & Dementia)」で発表しました。

 MINDダイエットは、基本的には地中海式ダイエットとDASHダイエットのスタイルに従った方法ですが、さらに認知症の予防に焦点を当てた変更を加えています。

 今回はこの、MINDダイエットをご紹介します。

■参考文献
US National Library of Medicine National Institutes of Health「MIND diet slows cognitive decline with aging.