「TSUNAGO」1500円。東急ハンズで販売中
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製造に手間がかかるため、月に4000個の製造が限界だという
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 短くなって使いづらくなった鉛筆を連結して、使いやすくする鉛筆削り「TSUNAGO」が入手困難になっている。製造・販売を手がける中島重久堂(大阪府松原市)が2015年1月下旬にネット予約を開始すると、4500件の注文があり、1カ月で予約注文を終了。5月初旬からは東急ハンズで販売を開始し、現在までに1万6000個が売れているが、現在も店頭では品切れで、毎日問い合わせがある状態だという。またパリで開催された展示会「メゾン・エ・オブジェ」に出展したところ、「現地の有名セレクトショップ、欧米の美術館ギフトショップ、高級文具店からも多数注文いただき、反響の大きさに驚いている」(中島潤也社長)という。

 TSUNAGOは突起と穴、2つの異なる形状に削る機能を持ち、これらを木工用ボンドで接着し、握れる長さの鉛筆にできる。

 中島重久堂は1940年から小型樹脂製鉛筆削りを製造しており、鉛筆削りの国内シェア80%を占める国内唯一の樹脂製鉛筆削り専門メーカーだ。同社では短くなった鉛筆が捨てられていることを、長年、もったいないと考えてきた。そんな中、3年前に北陸在住の発明家から「もったいない精神を具体化した鉛筆削りを製造して、世の中にこの精神を広めてほしいと」と同製品の製造依頼を受け、開発、製造、販売を決定したという。

 当初はすべての機能を盛り込むと大きくなってしまうことがネックだったが、上面のふたを回転させることで、手に持ちやすいサイズと形状を実現。製造原価を下げるために新型のキリを開発したが、当初の予想より開発費用がかさんだため、小額クラウドファンディングを利用した。その際、投資家のSNSや口コミで商品の情報が広がり、発売と同時に入手困難な商品となったようだ。

 「感謝のメールが多いが、改善希望のメールもいただいている。使用には慣れとコツが必要で、小さな子どもや握力の弱い人が使うのは難しいかもしれない。今後も改良を重ねていくが、使いにくい点も理解していただききながら、1人でも多くの人に使ってほしい」(中島社長)。

(文/桑原 恵美子)