写真家の三井公一氏に注目の最新デジカメをいち早く試してもらい、撮って出しの実写画像を紹介する連載。今回は、キヤノンが6月末に発売した高級コンパクトデジカメ「PowerShot G3 X」を紹介する。35mm判換算で24~600mmをカバーする光学25倍ズームレンズと1型の大型CMOSセンサーをスリムボディーに詰め込んだ意欲作。「高級コンパクトはズーム性能が物足りない」と考えていた写真ファンのハートを見事にキャッチしたようで、発売直後から多くの販売店では品切れが続くほどの人気となっている。さまざまなカメラやスマホを触ってきた三井カメラマンの評価はどうだろうか?

 キヤノンから、オールマイティーに使える高画質デジカメ「PowerShot G3 X」が登場した。CP+ 2015で参考出品としてお披露目された、1型のCMOSセンサーと高倍率ズームレンズを搭載した高画質モデルである。発売と同時に人気を集め、量販店では早くも入荷待ちとなっているほどだ。

1型のCMOSセンサーと明るいズームレンズを搭載した「PowerShot G3 X」。実売価格は、ボディー単体モデルが10万円前後、EVFキットが10万3000円前後だが、現時点では多くの販売店で入荷待ちの状態が続いている
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 PowerShot G3 Xを手にすると、直線的なボディーにグッとせり出したレンズ部が目を引く。一般的な「コンパクトデジタルカメラ」と比較すればかなり大きいサイズ感だが、約2020万画素の大きな1型CMOSセンサーと、24mmから600mmまでの光学25倍ズームレンズを搭載し、自分撮りもできる可動式液晶モニターを備えるとあらば、納得のフォルムだろう。しかも注目したいのは、このクラスの高画質モデルでは珍しく防塵防滴仕様であることだ。約733gのこのカメラだけで、広角から超望遠まで天候を気にせず撮影できるのは、とても魅力的に感じた。

高級コンパクトらしい存在感のあるデザインを採用する。「PowerShot G1 X Mark II」などの兄弟モデルよりは、ミラーレス一眼「EOS M3」に近い印象だ。本体サイズは、EOS M3よりもひとまわり大きい
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ボディーが大きめなことからボタン配置は余裕がある。背面の液晶モニターはチルト式で、表示面を手前に向けての自分撮りにも対応する
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 写りはとてもいい。さすが1型の大型センサーを搭載しているだけあって、並のコンデジとは写りの次元が違う。600mmでの超望遠域はもちろん、一般的に使用するであろうズームレンジでの写りも実にシャープで、しかも色彩豊かな描写である。

 操作感もまずまずだ。撮影モードや露出補正はそれぞれ独立したダイヤルを使って設定でき、タッチ対応の背面液晶でピント合わせやタッチシャッターができるので、撮影スタイルに合わせて自分なりの使い方ができるのがいい。

ワイド端の24mmで青山墓地から六本木ヒルズを撮影。近景から遠景までなかなかの写りである(ISO125、1/1250秒、F4.5、24mm相当)
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同じ場所からテレ端の600mmで撮影。屋上の手すりに手をかける外国人らしき2人の姿まで分かるのはすごい。室内で開催されていたスターウォーズ展の「STAR WARS」のロゴも確認できる(ISO160、1/1250秒、F5.6、600mm相当)
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超望遠域ばかり注目されるが、近接撮影も得意だ。ワイド端で5cm、テレ端で85cmのマクロ撮影が楽しめる(ISO125、1/125秒、F5.0、103mm相当)
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安定した描写はキヤノンならではだ。オートフォーカスがときおり迷うことがあるが、一般的な撮影では問題ないだろう。高感度はISO12800まで対応する(ISO125、1/30秒、F5.6、403mm相当)
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