「朝立ち」は90歳まであってこそ健康!?

――早くから「朝立ち」の重要性を説いてきたことはよく知られています。

熊本氏:勃起は男のいちばん大事な生理現象。男は赤ん坊でも胎児でも勃起しますからね。女性に生理があるのは卵巣が働いているということでしょう。男の生理は朝の勃起。男性ホルモンには血管保護作用があり、減ると動脈硬化が進む。60代くらいで心筋梗塞で亡くなる人は、みんな朝の勃起がなくなっている。それを放っておくから動脈硬化が進んで、心筋梗塞や脳卒中を起こすわけです。朝の勃起がなくなるのは「動脈硬化が進んでいるから気をつけなさいよ」と、「息子」が知らせているわけなんです。
 勃起といっても別にエロチックな話じゃない。日本の高齢者はセックスレスが多いけど、それでも朝の勃起がある人は元気ですよ。高齢で衰えていく男性に、40~50代のバイタリティを維持させることが、これから求められる医学ではないのか。その基本となるのが「男の生理」、つまり朝の勃起を回復させること。高齢者は朝の勃起が回復するのがいちばん自信に結びつく。まさに「男のリバイタリゼーション」です。

――40代で朝立ちがなくなる人もいますが、本来は何歳くらいまであるものでしょうか。

熊本氏:90歳までは面倒を見ます! 僕と親しい三浦雄一郎さん(登山家)も80代で朝立ちがあるし。僕ももちろん。当たり前じゃないですか(笑)。日本メンズヘルス医学会の理事長としては、まず自分自身が元気じゃないと。理屈だけこねても、自分がダメでは信用されないでしょう。

――85歳で? それはすごいですね!

熊本氏:その朝の勃起に欠かせないのが男性ホルモンです。男性ホルモンはバイタリティの源。男だけじゃなくて、女の元気も男性ホルモンから生まれる。閉経した女性は男性ホルモンが優位になるので、気が強くなる。元気がない女性は男性ホルモンが低いことが多い。政財界で活躍している女性には、ひそかに男性ホルモンを補充している人もいます。
 男性ホルモンを抑える前立腺肥大症の薬をのむと、元気がなくなり、筋力も衰える。男性ホルモンが多いと前立腺も大きくなるけど、大きくなったら削ればいい。僕も手術してもらったからね。(男性ホルモンが多いと)頭も薄くなるね。僕は学生時代から薄かった(笑)。逆に男性ホルモンが減ると白髪が増える。実際、男性ホルモンを補充すると髪が黒くなってきますよ。
 また、男性ホルモンが低い人は不整脈になりやすいとも言われる。補充すると赤血球が増えて全身の酸素の供給も良くなる。メタボや糖尿病だって、男性ホルモンを補充すると良くなる。実にいろいろなところで働く。
 僕が行う補充療法は、テストステロン(主要な男性ホルモン)製剤250mgを2週間に1回注射するのが基本。効果が出てきたら間隔をあけていく。手術して病気を治すよりも、男性ホルモンを補充する方がずっと喜ばれる。元気が出るからね!