合羽橋の老舗料理道具店「飯田屋」の6代目、飯田結太氏がイマドキの料理道具を徹底比較するこの連載、第7回は「魚の骨抜き」。料理好きな主婦でも持っている人は少ない道具のひとつだが、プロの料理人や料理を趣味とする男性の間では2年待っても欲しい超高級品があるのだという。さらに骨抜きは、ほかにもいろんなことに使えるとか。あなたの知らない「魚の骨抜き」の世界を紹介する。

関西型と関東型? 知らないと損する骨抜きの選び方

骨抜きといっても種類が豊富。小さい道具ながら魚料理の出来を左右する大切な道具
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 こんにちは! 飯田結太です。今回検証する「魚の骨抜き」は専用道具なのに種類が豊富。魚の種類によってモノが違うのです。選び方を間違えるととても使いづらい道具になってしまう、少し難しい料理道具なんです。

 あるとき、店に日本食の料理人見習いという方が訪ねてきました。その方は骨抜きが並ぶ棚の前でとても真剣なまなざしで商品をずっと眺めていたんです。そして「骨抜きってどれも同じに見えるんですが、どうやって選べばいいの?」と一言。プロでも迷うんですよね。

「魚の骨抜きは技術競争」と話す台所番長、飯田結太氏
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 それではまず、骨抜きの基礎知識を少し。

 骨抜きには、関西型と関東型があります。

 関西型は、くの字に曲がった角型で、身が引き締まって血合いが多いタイやサバなどに使います。身をかき分けて深い部分にある骨を挟んで抜くために、くの字形の骨抜きが一般的になったといわれています。

 一方、関東型は丸型とも呼ばれます。アジやイワシなど、身が軟らかい魚がよく食べられていて、表面に出ている骨をスッと抜くために作られています。この2つの違いは形。指で挟む感覚が角型と丸型でかなり違います。おのずと力の入り具合も変わってくるんですね。だから関東の料理人にとって、角型は使いづらいのだそうです。

写真左は関東型。右は関西型。挟み口の角度が違うことで適する魚の種類も異なる
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