Pepper各部のしくみと特徴:脚部

 Pepperは、厳密に言うと人型デザインを採用しているのは上半身のデザインだけです。脚部は二足歩行式ではなく、オムニホイール式が採用されています。Pepperに搭載するために開発された独自デザインのオムニホイールで、特許を取得しています。中には3つのボール(ローラー)が入っていて、それを転がすことで移動するしくみです。コミュニケーションロボットは表現のために上半身の動きが重要で、下半身の動きはそれほど重要ではないという判断から、人型の二足歩行にはこだわらず、最低限の移動のみを想定した方式が採用されました。

Pepperの脚部はオムニホイールを採用。オムニホイールの中には3つのボール(ローラー)が入っていて、それを転がすことで移動する
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 このオムニホイール式の利点は、360度どの方向にも自在に動き回ることができることです。時速2~3km/hで移動することができます。そして何より重要なのが、二足歩行に比べてバッテリー消費が少ないことです。そのおかげでPepperは12時間の連続稼働を実現しています。二足歩行はバランスを保つためにバッテリーを著しく消費することが知られています。ただ立っている状態のとき、オムニホイールなら姿勢の維持に大きな電力を消費しませんが、二足歩行の場合はバランスをとり続ける等、比較的多くの電力が必要となります。Pepperは1回の充電で12時間の稼働が可能としていますが、もし、二足で立ったり移動することを前提に設計したとしたら、1時間程度でバッテリーが切れる可能性があったと言います。

 周囲の障害物を検知したり、相手との距離を計測するのには、脚部の前後に配置された赤外線センサーやソナーを使用します。相手が一歩下がれば、Pepperが少し前に出るなど、一定の距離感を調整することが可能です。

 なお、足部と底部には計6個のレーザー(クラス1M)が装備されています。レーザーセンサーは光を使うため、ガラス面などの検知が難しいこともあり、赤外線センサー等による情報も補助的に使われています。

内蔵されたレーザーセンサーで測距し、先端のバンパーセンサーで衝撃を検知するしくみ。底部にもレーザーセンサーが配置されている
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