レギュラーティで70.7。「馬の背」ホールの攻略がカギ握る。設計は富澤誠造氏

 新施設やキャディさんのリポートが長くなってしまった。急ぎ肝心のコース紹介に移りたい。こちらは以前プレーした時とあまり変わっていてほしくない。結論から先に申し上げると、穏やかな起伏を持ちつつ、プレーしてみると見た目以上に難しく正確なショットを要求される名コースである点は少しも変わっていなかった。

ティマーカーは小鳥をデザイン(1番)
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グリーンを3分割して当日のピン位置を表示。
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 スコアカードに記載された全長距離は「バックティ」からが6,773ヤード、「レギュラーティ」が6,328ヤード、「レディースティ」が5,480ヤード。コースレートは「バックティ」で72.7(Aグリーンの場合)、「レギュラーティ」で70.7(同)、「レディースティ」で71・7(同、女子コースレート)。過去のスコアカードに記載されていた数字よりも、今回の方が若干上がっている。AグリーンよりもBグリーンの方が少し難しい。

格好の良い松の木が風格と難易度を高める(1番)
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松の高木から先は下り。やっとグリーンが見えてきた(2番)
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林の中に打ち込むとフェアウエーに戻すのが一苦労(2番)
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3番ロングホールもフェアウエーとラフの境界線近くに松の木が立つ
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 全体に戦略的で手強いホールが多いが、その中でも特に個性的と感じたところをピックアップして紹介したい。最初はOUTコース1番。グリーン近くまで長い下り傾斜が続き、正面に高坂の市街地が望める雄大なミドルホールだ。会員さんは「軽い馬の背のフェアウエーで、曲げるとボールが坂をどんどん転がってしまいますよ」と初来場の同伴者さんに警告する。2番ホール、3番ホールもフェアウエー横の下り斜面は避けたい。

池越えの美しさが記憶に残った4番ショートホール
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高坂CCにこれほど多くの桜木があるとは今まで知らなかった(4番)
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 続く4番ショートホール。レギュラーティからでも184ヤードと長く、ティインググランドの前には池。景観の美しさや池越えのプレッシャーに気を奪われがちだが、グリーン手前で大きく口を開けるバンカーにも要注意だ。

左側をクルマが走る。こんな看板も立つ(5番)
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右サイドの木が意外に邪魔になる。グリーンは砲台型(5番)
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砲台グリーン周辺のバンカーはアゴも高い(5番)
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グリーンの状態はかなり良好だった(5番)
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 関越自動車道がコース左側を走り、クルマの騒音が聞こえる5番ホール。332ヤードと短いミドルなのにハンディキャップが「1」。難しい理由はすぐに理解できた。左サイドはOB。右サイドに置かれた樹木がティショットの狙い場所を狭め、2打地点からはグリーン面が見えないほど高い砲台型のグリーンが待つ。確かにショットの方向性と距離感が2つ揃わないと攻略できない難ホールである。

谷(池)越えの6番ショートホール
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谷よりグリーン手前に立つ大きな木がハザード(5番)
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 高坂CCにはこうした一見平凡そうに見えて、その実、様々なテクニックを要求する難ホールが多い。なるほど「良くできたコース」(会員さん)なのだ。コース売店のそばにある6番も印象的なショートホールだった。大きな谷越えなので距離感がつかみにくい。同伴者さんは「ピンまで140ヤード?そんなにあるのかなぁ」と疑い、やはりショート。クラブを持ち替えたもう一人の同伴者さんは逆にオーバー。

フェアウエー中央の小さな松の木が11番ホールのシンボル
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季節の違いはあるが、コースレイアウトは以前と変わっていなかった
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 後半のINコースでは11番のショートホールと14番のロングホールが景観の美しさで印象に残った。11番は軽い打ち下ろしで目の前が大きく開け、伸び伸び打てる。フェアウエー上に低木があり、日本庭園風の趣がある。「きれいなホール」と喜ぶか、「バンカーが難しそう」と嫌がるかはその人次第。以前あったシュロの木がいつの間にか消え、ティインググラウンド周辺の景観が少し変わった。

11番ショートホール。前回来場時とは雰囲気が違った
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2011年8月にプレーした時は高いシュロの木が立っていた
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 14番も日本情緒を感じさせる美しいロングホールだった。特にグリーン左手前の池が景観的にも、戦略的にも強い存在感を発揮している。

広く平坦な14番ミドルホール。この先にドラマが待っている
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フェアウエー左サイドには美しい池。日本庭園風の造りだ(14番)
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前回来場時(2011年8月)。景観は今とほとんど同じだった
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池には大きな鯉。ついつい近づきたくなってしまう(14番)
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 最後にもう一つ。一番スコアを乱したのが実は17番のロングホールだった。距離はレギュラーティから469ヤードと短いのだが、フェアウエーが「馬の背」状態になっていて、1番ホール同様、左右に曲げるとボールが林の深部まで転がり落ちてしまう設計。このホールは両サイドが下り傾斜だったが、他のホールでは一方が上り傾斜、逆サイドが下り傾斜というレイアウトが目に付いた。ティショットで正確にフェアウエーを捉えていかないと、常に余分な一打を強要されるコースである。

17番ロングホール。「馬の背」で左右とも下にボールがこぼれやすい
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こんな傾斜地がグリーン近くまで続く(17番)
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注意していてもボールは桜木の右側に転がった(17番)
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平坦で雄大な17番ホール。高坂CCの看板ホールの1つだ
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 設計は日本ゴルフ界の黎明期を支えた富澤誠造氏。簡単そうに見えても「ワナ」は存分に仕掛けてある。ただ、変化があって刺激的なINコースに比べると、OUTコースは一部似たような雰囲気のホールがあり、やや単調と思える時もあった。

2つのグリーンはほぼ同じような距離にあった(4番)
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グリーンの速さは10.0フィートに整備されていた(12番)
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フェアウエー中央部分で大きく傾斜する(15番)
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右サイドにミスショット。さっそく3本の木に叱られた(13番)
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 コースコンディションは良好。前回来場時は8月で猛暑続きの日だったが、それでもかなり良好だったと記憶する。平成16年の改修工事で「高麗芝」を「ベント芝」に変え、ベント芝が2つになったグリーンも今回、コンディションに問題は全くなかった。キャディマスター室の男性スタッフさんは「通常は9.5フィートの速さで営業していますが、今日は少し速めで10.0フィートです」と管理の良さを強調する。

バッグ置き場では「本日のグリーン状態」を明示する
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景観もグリーンの状態もかなり良かった(2番)
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 さらにこの日は一般ゴルファー向けにラフも適度に刈り込んであり、「難し過ぎてコースに痛めつけられる」というほどの難度ではなかった。「スコアが悪いのは自分のミス。おかしな所にOBゾーンやハザードはない」と同伴してくれた会員さんは、このコースの魅力を強調する。その意味では極めてフェアなコース設計である。ただし、いくつかのホールでは近くに立つ鉄塔が目障りだった。カラスの存在も結構気になった。

左サイドの鉄塔が美景を損ねているように感じた(7番)
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桜満開。カラスもお花見だ(16番)
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