格安スマホ・格安SIMの通信速度はいったいどう決まるのか? 様々なメディアや調査機関が実施する「速度調査」は実態を反映しているのか? ジャーナリストの岩元直久氏が、事業者への取材を基に解説する。

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 格安SIMや格安スマホを提供するMVNO(仮想移動体通信事業者)は、料金の低廉化や高速データ通信ができるデータ量の増量などでしのぎを削り、注目度は時を追うごとに高まっている。

 そうした中で、様々なメディアや調査機関が、格安スマホ・格安SIMの通信速度調査を実施して、公表しているのを目にすることも多い。「●●は東京駅で高速だった」「△△はお昼に落ち込みが大きい」などといった数字や傾向を見て、格安スマホ・格安SIM選びの参考にすることもあるだろう。

 それでは、そもそも調査などで測った「通信速度」とは、何を示した数字なのか。そして通信速度を決める要素にはどのようなものがあるのか。こうした問いに答えられる人は、通信業界のエンジニアか、それに近い知見を持った人に限られそうだ。速度調査の結果を見て「一喜一憂」することにどれだけの意味がありそうか、MVNOの通信速度の謎に迫ってみた。

測定される「通信速度」って、どんなもの?

 メディアや調査機関の「通信速度調査」では、いわゆる「スピードテスト」のサービスを利用して測定した速度が評価の基準になることが多い。またサーバーからの応答が返ってくるまでの遅延時間を求める「PING」を評価の軸に加えるケースもある。

スマホのアプリを使って、格安スマホ・SIMのスピードチェックを行うことが多い
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 今回は、スピードテストのサービスで測定する速度に着目したい。測定した速度のデータが、どれだけ複雑な条件の組み合わせで得られたものか、図で確認してみよう。

■スピードテストに影響を与える条件
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 格安スマホや格安SIMを挿したスマートフォンなどを、MVNOのサービスによるLTEなどの公衆回線を経由してインターネットに接続し、スピードテストのサーバーにアクセスするとしよう。そのとき、データは大きく3種類のネットワークを通過する。

 スマートフォンが直接的に接続しているのは大手キャリア(MNO、この場合はNTTドコモやKDDI)のネットワークだ。MVNOのスマートフォンは、LTEや3Gなどの無線通信方式を使ってMNOの基地局とやり取りし、その後はMNOの有線のネットワークをデータが通る。

 次にMNOと相互接続しているMVNOのネットワークにデータが渡る。格安スマホや格安SIMのサービスを提供するのはMVNOであり、データ通信量や速度の制御、課金などのサービス基盤が含まれている。そして、最後にMVNOのネットワークからインターネットにデータが渡る。インターネットは複雑なネットワークの構成を採っていて、その中を目的のサーバーを目指してデータは転送されていく。

 インターネット上の目的のサーバーにデータ、例えばここではスピードテストを実行するためのコマンドが届いたとする。すると、今度は今と逆の経路で、インターネット→MVNOのネットワーク→MNOのネットワークとデータが流れて、手元のスマートフォンにダウンロードしたデータが届くといった具合だ。


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