コミュニケーションロボット「パルロ」

 主に介護支援や介護予防の分野で活躍している二足歩行のコミュニケーションロボットもあります。富士ソフトの「PALRO」(パルロ)です。パルロは全高約40cm、重量約1.6kg小型のロボットです。「机上に置けて、置いた状態で人の目線よりやや低く、パルロが見上げる姿勢をとることが考慮され、このサイズに決まった」(富士ソフト)と言います。

 2010年3月に教育や研究機関向けに販売を開始、2012年6月からは老人ホームやデイサービスなどの高齢者福祉施設向けに専用モデルの販売を開始し、2015年2月時点で230カ所の施設に導入の実績があります。

 高齢者福祉施設向けモデルのパルロには、主にゲームやクイズ、ダンス等を楽しむアプリ(レクリエーションプログラム)が50種類以上もあらかじめ搭載されていて、導入後にすぐに利用できるようになっています。レクリエーションの時間になると、パルロ自身が司会進行役となり、高齢者の方々を相手に体操をしたり、ゲームやクイズをして楽しませます。

高齢者施設で活躍するパルロ(イメージ写真:富士ソフト提供)
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 パルロが主導するゲームやダンスに高齢者たちが参加することで、軽い体操によって運動機能が向上したり、楽しい時間を過ごすことができます。パルロは介護予防に対する効果が期待されています。施設にとっての具体的な導入メリットは、施設の利用者に新しいサービスを提供でき、話題性も高く、他の施設との違いを強調できる点です。

 また、高齢者が楽しみにしているレクリエーションの時間は、毎日違う内容のコンテンツを提供して飽きさせないことが重要です。パルロはクラウドからコンテンツをダウンロードし、日替わりでレクリエーションを提供できます。パルロの導入によって、ロボットと介護予防を行うという新しい体験を提供でき、スタッフもレクリエーション時間のメニューや出し物に悩むことなく、明るく振る舞うロボットによって花がそえられればメリットは大きいと考える施設も多いことでしょう。

 多人数を対象としたレクリエーションの時間以外でも、パルロは高齢者たちとの会話で施設の雰囲気を活性化させています。パルロには最大100人の顔と名前を判別し、自律的に話しかける機能があるからです。会話によって話し相手が好きな野球チームや好きな食べ物、趣味や興味がある事柄を人物ごとに記憶します。そのうえで関連するニュースや情報、話題などを提供することもできます。従来は高齢者が1人で過ごしていた時間が、パルロが話し相手になって会話をすることで、QOL(生活の質)の向上にもつながる可能性があります。