※本連載は『Pepperの衝撃!パーソナルロボットが変える社会とビジネス』(日経BP社)から抜粋して再構成したものです。

二足歩行の人型ロボット「ASIMO」

 日本の代表的なロボットと言えば、本田技研工業(ホンダ)の「ASIMO」(アシモ)を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。2014年4月、米国のオバマ大統領が来日した際、日本科学未来館を訪れました。そこではASIMOが出迎え、「Mr. President, I am ASIMO, a humanoid robot. It is a pleasure to meet you.(大統領、私はヒューマノイドロボットのアシモです。お会いできて光栄です)」と英語で挨拶をしました。そして片足でジャンプをしたり、大統領とサッカー(ボール蹴り)をしました。この様子がニュースとして報道され、動画サイトやSNS、ブログを通じて海外でも大きな話題となりました。

 ホンダのヒューマノイドロボット開発の歴史は1986年に遡ります。当初、二足歩行原理の研究用に作られた「E0」は人間で言うと下半身部分だけでした。ホンダのロボット開発の歴史については同社のホームページに詳しく記載されていて、誰でも閲覧することができます。それによると「E0」は直線での静歩行が中心で、一歩進むのに15秒もかかりました。静歩行とは重心が足裏の範囲に入るように歩くことで、対して動歩行は身体の勢いを使って重心を足裏以外にも移しながらスムースに歩くことです。

 完全自立人間型の2足歩行ロボットが完成したのはそれから10年余を経た1997年のことです。「P3」と名付けられたそのロボットは全高160cm、重量130kgで、それまでのロボットより小型軽量化が図られました。そして2000年、さらに小型化したASIMOが誕生します。サイズは全高(身長)130cm、重量48kg、奥行き34cm、横幅45cmとさらに小型化が図られています。

 2001年にはレンタル事業用ASIMOが発表され、階段やある程度の斜面の移動が可能になりました。2002年には自律的に行動できる知能化技術を搭載、顔を認識して名前を呼ぶなど人応答機能が実現しました。また、インターネット接続による情報提供や案内サービスも可能になりました。

 現在ではさらに改良や新機能の追加が行われ、時速9kmで走ったり、ジャンプしたり、凹凸路面を歩く、ワゴンを押しながら歩行する、トレイを持って歩く、トレイを相手(人)に確実に渡す、人やASIMOどうしですれ違う際にぶつからないように避ける等が可能となっています。さらに水筒を握ってふたを開け、紙コップに水を注いだり、手話表現もできます。認識能力も向上していて、3人が同時に発する言葉を聞き分けることができます。


『Pepperの衝撃! パーソナルロボットが変える社会とビジネス』
(神崎洋治 著、日経BP社、定価1620円[税込み])

世界初の感情認識パーソナルロボットPepperとは――。ロボットビジネスの現状からソフトバンクのビジョン、Pepperの発表から発売までを振り返りながら、Pepperの特徴や仕様、技術、ビジネス等での活用、アプリ開発、AI(人工知能)などについて紹介する。


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