Pepperが誕生した意味とは?

 話をPepperに戻します。彼が誕生した理由……、それは2018年から始まると言われる人類史上最大のパラダイムシフトを見据えたものです。

Pepper(ペッパー)
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 常に最先端の技術開発にしのぎを削ってきたIT業界は、新たなステージに向かって、最近の10年間で新技術の開発を急加速させています。クラウド、モノのインターネット(IoT)、そして人工知能……、世の中を変えてしまうような変革をもたらす技術が次々と登場し、実用化もうっすらと見えてきています。

 しかし、それらの新しい技術はまだどれも「点」であって、人々の生活を変革するには、たくさんの点と点を結ぶ新しいプラットフォームの登場が必要です。その1つがロボットです。Pepperの本当の衝撃は、まだ人々が体験したことのない最先端の新技術の数々、その点を結ぶ次世代のプラットフォームになり得ることです。そしてそれを成し遂げるとパラダイムシフトが現実に起こる可能性を秘めていることです。これが2018年というわけです。

 シリコンバレーは今、ロボットと人工知能に熱い視線を浴びせています。それは「クラウドロボティクス」と「ディープラーニング」というキーワードが起爆剤になったように思います。

 コンピューターやロボットは知恵を持たないと言われてきました。クラウドロボティクスとディープラーニングがその定説を破ろうとしています。ロボットは、人間のクイズ王を破ったIBMのワトソンのようなスーパーコンピューターとネットワークでつながることによって知恵を身に付け、無限の可能性を引き出そうとしています。

 またPepperは、感情認識エンジンやクラウドAIと言った最先端技術の実用化にチャレンジします。たとえPepperが実現できなくても、次の世代のロボットが成し遂げるかもしれません。いずれにしても、感情を持った自律的に学習するロボットと人間が共生する社会が現実に見えてきたのです。

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