「モノ」から「コト」へを意識したゲーム開発
──早川社長から見て、現在のゲームビジネスはどのように映っていますでしょうか?
早川英樹社長(以下、早川氏):私自身、2010年9月よりスタートしている『ドラゴンコレクション』をやらせていただくなかで、これからのゲームプラットフォームはモバイルが中心になり、お客様の利用動向を見ながらゲームを発展させていく「運営型」のビジネスになるだろうということを強く感じていました。アーケードゲームも、家庭用ゲームも、カードゲームも、「モノ」を売ることから「コト」を売っていくことにシフトしなくてはいけないということです。ただこの数年、弊社としてまだまだ対応しきれなかった部分もあり、私が副社長になった昨年7月から、もう一段、二段、スピードを速めています。そうした取り組みの中で、家庭用ゲームもソフトを売っておしまいというのではなく、いわゆる追加課金モデルを、『実況パワフルプロ野球』や『ウイニングイレブン』でも導入し始めています。
一昨年に発売した『実況パワフルプロ野球2013』では、シナリオを進めて練習や試合を行い、自分だけのオリジナル選手を育てることができる人気モード「サクセス」をオンライン対応いたしました。無料で追加配信されるシナリオで継続的に楽しんでもらい、選手を強化する過程で課金していただくモデルです。また、昨年11月に発売いたしました『ワールドサッカー ウイニングイレブン 2015』でも、選手や監督を起用して自分だけのクラブを作り上げる「myClub」を搭載し、こちらも大会実施などの運営や課金要素を盛り込んだものとなっています。
これらを通じて、ゲームソフトをパッケージでお買い上げいただいたお客様も、潜在的な課金モチベーションは高いということが見えてきました。モバイルゲームでは、ユーザーの継続率や課金率など、常にKPI(重要業績評価指標)を追っており、どこを修正すれば、どの数値を上げていけるかというのはだいたい分かっています。そのノウハウを生かしたところ、お客様の反応も良く、手応えを感じたわけです。
弊社では『ドラゴンコレクション』以降、主要タイトルの運営開発はすべて内部で行ってきました。運営手法というのは一日二日で身に付けられるものではありませんから、早期にこの重要性に気付き、試行錯誤しながら組織を育ててきたことが、現在では大きな力となっています。
こうした取り組みの一つの成果となるのが、昨年12月にモバイルゲームとしてリリースした『実況パワフルプロ野球』です。先ほど紹介しました家庭用ゲームでの取り組みを推し進め、よりモバイルに適した遊びに仕立てて投入したもので、大変好評をいただいています。これはゲームシステムと課金モデルを非常にいい形で組み合わせることができたという点と、20年かけて大切に育ててきた知名度の高いIP(知的財産)であったことが、好結果につながったと考えています。このように、ゲームデザインが支持されており、集客力のある自社IPは、今後積極的にモバイル展開を取り組んでいきたいと考えています。


















