今回取り上げるのは、シグマの「24mm F1.4 DG HSM」。今年2月のCP+2015でお目見えし、3月にキヤノン用とシグマ用、やや遅れてニコン用が発売されたばかりの新製品だ。過去に紹介した「35mm F1.4 DG HSM」や「50mm F1.4 DG HSM」と同じArtラインに属するレンズで、単焦点レンズを楽しむ選択肢がさらに広がった。

シグマの広角レンズ「24mm F1.4 DG HSM」。実勢価格は10万円前後で、キヤノン用、シグマ用、ニコン用の3種類を用意する
[画像のクリックで拡大表示]

広角レンズなのによくボケる

 24mmというのは広角レンズとしてはスタンダードな画角で、24mmが主戦力という写真家も多い。というよりも多かった。僕も高校1年生の夏休みにアルバイトをして初めて購入した交換レンズが、つい最近まで現行だったキヤノンの「EF24mm F2.8」(初代)だった。

 もっとも、最近は広角といえばズームが幅を利かせている。単焦点好きの僕も、広角はもっぱらズーム頼りだ。もともとボケ量の少ない広角では、ボケよりも画角やパースの変化が重要になってくる。だから、広角レンズが欲しいという人には、僕もズームを薦めてしまう。

 しかし、このレンズは僕の広角単焦点に対するイメージを変えた。実はCP+2015のトークショーで紹介するため、発表前から試作品を使っていた。事前情報もなく初めて使ったときの印象は「ボケる!」。最短撮影距離は25cmと短く、被写体に近寄ればもちろん大きくボケる。しかし、さほど近寄らなくてもF1.4では(もちろん標準や望遠ほどではないが)しっかりボケが生まれるのだ。ピントを合わせた被写体の前に何かを写し込めば、大きな前ボケとして生きてくる。

 広角は文字通り画角が広く、遠近感が強いこともあって前ボケをアレンジしやすい。広角ズームでも状況によってはそれなりにボケを楽しめるが、F1.4のボケの強さはさすがで、しかもきれいにボケてくれる。ボケ味に関しては、同じシグマのArtラインに属する35mm F1.4や50mm F1.4も実に美しいが、このレンズもその個性をしっかりと受け継いでいる。ただし、24mmと50mmの外観がそっくりで結構紛らわしい(笑)。

まずは前ボケをどうぞ。快晴の太陽を堂々と画面に入れてみたが、ビクともしないのはさすが(EOS 5D Mark III使用、ISO100、1/5000秒、F1.4)
[画像のクリックで拡大表示]
後ボケももちろんきれい。周辺はやや引っ張られるが、ボケ味そのものはなだらかだ(EOS 5D Mark III使用、ISO100、1/4000秒、F1.4)
[画像のクリックで拡大表示]
24mmは街スナップが楽しくなる焦点距離。ただし一歩踏み出す勇気をお忘れなく(EOS 5D Mark III使用、ISO100、1/500秒、F1.4)
[画像のクリックで拡大表示]