ソニーが発表した2017年度を最終年度とする中期経営計画で掲げられた目標は、ROE(株主資本利益率)で10%以上、営業利益は5000億円以上という、利益目標だけだった。

 昨今、売上高を打ち出さない中期経営計画が増えているが、その多くは、大規模な構造改革を推進中であったり、均衡縮小している事業の収益改善策を打ち出している場合だ。

 ソニーもその例にもれない。

 ソニーの平井一夫社長は、計画発表の席上で、「ROE重視」の文字を大きく掲示するとともに、規模(=売上高)を追わない利益重視の経営を進めることを何度も強調した。

ROEなど売り上げよりも利益の指標を重視する姿勢を打ち出したソニーの平井一夫社長
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 そのなかで、今年10月に、ウォークマンをはじめとするオーディオ製品およびブルーレイ関連製品などを手掛ける「ビデオ&サウンド事業」を分社化することを明らかにし、さらにほかの事業についても順次分社化していく考えを公表した。

 加えて、安定した高収益創出のために、特定の顧客と継続的で安定したビジネスを行う“リカーリング型事業”の強化を打ち出した点は注目だ。具体的には、ソニー生命をはじめとする金融分野や、外科用硬性内視鏡による医療分野への進出のほか、プレイステーションネットワークを通じた音楽、映画などのコンテンツ販売、デジカメ事業における交換レンズ事業などが、リカーリング型事業のなかに含まれる。顧客を増やし、そこで長年の契約を結んだり、コンテンツやオプションを継続的に販売するビジネスによって、収益の安定化を図る狙いだ。だが、これが一定の利益確保に貢献するまでには長い時間が必要になるだろう。