2015年2月25日に発売される、アディダスのランニングシューズ「ウルトラブースト」。このモデルはミッドソールに衝撃吸収性と反発性を兼ね備えた独自素材「ブーストフォーム」を100%使用し、これまでにないほど高いクッション性が得られるという。

 その機能性とともに注目したいのが価格。税込みで2万円を超え、1万円台が中心のこれまでのランニングシューズよりも高いのだ。しかもメインターゲットは上級ランナーではなく、フルマラソンで“サブ5”(5時間切り)を目指す中級ランナーや完走を目指すエントリーランナーだという。

 高価格ランニングシューズ市場は日本ではまだまだ大きくないが、このモデルでブレイクするのだろうか。

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米国で高価格シューズ市場を支えるのは高所得者と若者!?

 ランニング先進国である米国のランニングシューズの中心価格帯は110ドル前後(1米ドル=120円換算で1万3200円前後)。ベストセラーとなっている「ナイキ エアペガサス31」が100ドル、「ナイキ ルナグライド 6」は110ドル、アシックスの「GT-2000ニューヨーク3」が120ドルといった具合だ。これら100~120ドルの価格帯は走り始めたばかりの初心者ランナーから1カ月に200マイル(約320km)以上走るようなランナーまで幅広く支持されており、市場規模が最も大きい。このあたりは日本も同じ傾向だ。

 一方、米国ランニング市場で特徴的なのが、150ドルを超える高価格帯シューズの市場も小さくないこと。呼び方はショップやブランドによって異なるが、「ハイプライスゾーン」「プレミアムランニングシューズマーケット」などと呼ばれている。

 これら高価格モデルはクッション性やサポート性などに付加価値をプラスしているのが特徴で、大きく分けると二つのユーザー層が存在する。

 1つが企業の重役や政治家、弁護士、医師などのエグゼクティブで、もうひとつが他人と同じものを身に着けたくない若者だ。前者は所得が高いのに対し、後者は支出に占めるスニーカーの割合が高いのが特徴。前者の代表がニューバランスをジョギング時に愛用したクリントン元大統領で、後者の代表がトレーニング時にナイキのエアマックスを履いている著名なラッパーのフロー・ライダーだ。