写真家の三井公一氏に注目の最新デジカメをいち早く試してもらい、撮って出しの実写画像を紹介する連載。今回は、キヤノンのコンパクトデジカメ「PowerShot N2」を取り上げる。デジカメにはつきもののシャッターボタンやズームレバーを搭載しない独特のスタイルを採用する小型モデルで、液晶モニターの改良で自分撮りが手軽にできるよう工夫した。被写体に応じてさまざまなフィルター効果を自動的に適用した写真を生成するクリエイティブショットは健在で、雰囲気のある写真が手軽に撮影できる。

 コンパクトデジカメのレンズ部だけを切り取ったような左右対称のボディーデザインと、ユニークなシャッターリングを搭載して話題になった、キヤノンの「PowerShot N」が「PowerShot N2」となって登場した。先代モデルは発表と同時に話題になり、キヤノンの直販サイトオンリーの販売だったにもかかわらず好調な売れ行きを見せた人気モデルだ。

キヤノンが2月19日に発売したコンパクトデジカメ「PowerShot N2」。実勢価格は3万2800円前後。キヤノンの直販限定だった旧モデルとは異なり、一般の家電量販店でも販売する
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 PowerShot N2で大きく変わった点は、自分撮りが可能になったところだ。ほぼ180度開くようになったチルト式液晶モニターは、アジアを中心に盛り上がる「セルフィー」(自分撮り)ブームを取り入れようとする狙いが見える。前モデルはローアングル撮影が精一杯だったのだので、大きな進化といえる。

 コンパクトで持ちやすいというか握りやすいボディー形状はそのまま。シャッターリング周辺の意匠をクラシックテイストに変更しつつ、どこからリングを押してもシャッターが切れるように改良した。ただ、物理的にシャッターリングを「押し込む」という形なので、アイレベルでカメラを構えたときは手ブレしやすいと感じた。できればウエストレベルに構えて撮るか、タッチシャッターを使うと失敗なく撮れそうだ。

 撮影モードは、美肌効果を備える「自分撮りモード」などもあるが、PowerShot Nシリーズといったら注目はやはり「クリエイティブショット」だろう。これは、1ショット撮影するだけで、あとは自動的にカメラが面白い写真に加工してくれるというモノ。フォーカスや露出のブラケット、特殊効果のフィルター、トリミングなどを行い、オリジナル画像に加えて合計6枚の写真を生成してくれる。自由かつユニークに構えられるPowerShot N2なら、クリエイティブショットのオート撮影だけで十分楽しめると思う。

光を反射する建物をクリエイティブショットで撮影。ハイコントラストのモノクロームから線画調の加工までワンショットで得られるのが楽しい
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思いがけない写真を見せてくれるクリエイティブショットは被写体に困ったときにも有効だ。踏切にある標識も変化をつけて見せてくれるからだ
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