知らないと損! 高額療養費制度の“合算”“月またぎ”

田村 「それから、高額療養費制度を上手に使いこなすには、いくつか知っておくと役立つポイントがあります。

 まず、ひとつめのポイントが『合算』。医療費は同じ健康保険に所属している家族の間で合算することができます(『世帯合算』)。それぞれ窓口で2万1000円以上支払った場合(70歳未満)に限りますが、合算すれば上限額を超える場合は支給されるので申請すべきです。

 また『多数該当』といって、世帯合算の高額療養費の適用が直近の12カ月に3回以上あった場合には、4回目からは自己負担額が軽減するという措置もあります」

――家族全体で医療費がかさんだときにはぜひ覚えておきたいですね。

田村 「あと、合算には『高額医療・高額介護合算療養費制度』というものもあります。医療保険、介護保険を合わせた負担が高額となった場合は合算して負担を軽減できます」

――それ、知りませんでした。

田村 「7年前から始まった制度ですが、知らない人は多いです。高額療養費と高額介護サービス費支給制度は担当窓口が違う。だから、実は合算したら支給対象になるケースでも、自己申告しない限り支払われません。高額療養費も高額医療・高額介護合算療養費制度も、請求しないでいると2年で時効になってしまいます」

――自己申告制なんですね! 介護と医療を合わせると高額になるケースは多そうですから、高齢者世帯はしっかりチェックしたほうがいいですね。2年の時効も気をつけなきゃ。

田村 「あと、『月またぎ』に注意!です。『手術で1週間入院』などのときに、月末から月初にかかってしまうと、高額療養費制度で対象となる医療費はふた月にまたぐことになります。例えば1月末から2月頭まで手術で入院して総額25万円支払った場合も、1月に20万円、2月に5万円、という割り振りになってしまうと、1月分は上限額の8万円強を超えた分は支給対象として戻ってくるけれど、2月分は上限額を超えていない分が全額自己負担になってしまうんです」

――日程を事前に決められるような手術であれば、調整も可能かもしれませんね。あとから手続きで返ってくるとはいえ、一時的に出費がかさむのはどうにかなりませんか?

田村 「収入を証明する『限度額適用認定証』を用意しておくと、病院で上限額を超えて支払いをする必要がなくなります(70歳未満の場合)。加入する保険制度の窓口でもらえるので、受診の際に病院に提出しておくといいでしょう」

――高額療養費制度ってなかなか奥が深いですね!