2014年秋に新機種が出そろったオーブンレンジだが、“真の買い時”はまさに今。最新トレンドをしっかりと押さえてかしこく選ぼう。

【トレンド編】 2段調理などによる「時短」がポイント

 電子レンジは2001年に普及率95%を突破(内閣府「消費動向調査」より)し、一家に1台が当たり前の時代になった。最近では電子レンジにオーブン機能を追加した「オーブンレンジ」はもちろんのこと、オーブンレンジにスチーム機能や過熱水蒸気機能を搭載した「スチームオーブンレンジ」が人気となっている。JEMA(日本電機工業会)の調べによると、電子レンジ全体の販売台数は徐々に減少しているものの、販売単価はじわじわと上昇している。

2012年1月から2014年11月までの電子レンジの販売台数および平均販売単価推移(日本電機工業会調べ)。年末のボーナス商戦と新生活スタート前の3月に販売のピークを迎えていることが分かる。平均単価は販売台数が落ち込む5月にピークを迎えている。新製品が登場する前に型落ちの高性能モデルを購入するユーザーが多いのかもしれない
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 新生活をスタートする単身者などには単機能の電子レンジが相変わらず人気だ。しかし、3万円台からスチームオーブンレンジが買えることもあって、より高機能なモデルを購入する消費者も多い。

 最近の傾向としては前述のようにスチーム機能を搭載したモデルが増えている。シャープが2004年に発売した「ウォーターオーブン ヘルシオ」がきっかけになり、「水(過熱水蒸気)で焼く」というのが当たり前になってきている。ただし低価格帯モデルは過熱水蒸気(100℃以上に加熱した水蒸気)ではなく、スチーム(100℃程度の水蒸気)調理にしか対応していないモデルが多い。過熱水蒸気非対応のモデルはスチームによる「焼き調理」ができないので注意したい。

 ここ数年のトレンドとしては、「時短調理機能の充実」が挙げられる。パナソニックが2008年9月発売の「3つ星ビストロ NE-R3000」に搭載した「合わせ技セット」機能によって、上段でオーブンによる「焼き物」、下段で電子レンジによる「煮物」ができるという「上下2段別調理」を実現。「共働き世帯の増加」と「内食志向の高まり」という2つの要素から生まれた「時短」ニーズをしっかりととらえて注目された。

パナソニックの「3つ星ビストロシリーズ」が時短調理の先駆けになった(写真は2014年6月発売の「3つ星ビストロ NE-BS1100」。実勢価格は8万7790円)
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 日立アプライアンスも2009年5月発売の「ヘルシーシェフ MRO-FV300」で上段はオーブン、下段は電子レンジという「肉と野菜の2段調理」機能を搭載。現在はあまり「時短調理」を前面に押し出してはいないが、スチームとグリルによる「焼き蒸し調理」で時短メニューを充実させている。

 三菱電機が2011年5月に発売した「ZITANG(ジタング) RG-FS1」は、電子レンジ機能で食材の中まで火を通した後にグリルで焼き目を付ける「レンジグリル」機能を搭載し、パナソニックとはまた違う時短を実現した。上位モデルといえば2段調理が当たり前のご時世に、1段調理で本体も庫内容量もコンパクトに仕上げたところもユニークだった。この特徴は最新モデルにも踏襲されている。

 最新モデルでパナソニックに勝るとも劣らないレベルの時短調理を実現したのがシャープだ。14年9月発売の「AX-XP100」で、上段は過熱水蒸気による「焼き」、下段はスチームによる「蒸し」が可能になった。下段への風路を閉じて上段だけで集中調理する機能なども含め、時短調理をかなり高度化している。

シャープが2014年9月に発売した「ヘルシオ AX-XP100」(実勢価格9万8110円)
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 そのほかのトレンドとしては、2013年に発売されて大ヒットしたフィリップスの「ノンフライヤー」に触発され、ノンフライ調理機能を充実させているメーカーが多い。熱風を循環させることによるノンフライ調理機能は元々オーブンレンジの得意機能だったが、ノンフライヤーのヒットによって再度見直し、ヘルシー調理の魅力を打ち出している。

最新モデルは今が底値

 電子レンジは6月から9月ごろに数多くの新製品が登場する。ここ数年の電子レンジの販売台数推移を見ると、毎年12月が最も売れており、新生活を控えた2月、3月にまた盛り上がって2番目のピークを迎えるような形になっている。白物家電の価格下落が一段落するのが発売から3カ月後くらいなので、9月から12月にかけてが新製品の買い時といえる。ただしボーナスシーズンで販売店側が黙っていても売れる12月より、反動で販売台数が落ちる1月の方がより買い時といえるかもしれない。

 例えばシャープが2014年9月25日に発売した最新プレミアムモデル「ヘルシオ AX-XP100」は発売当初の実勢価格は税込みで17万円を超えていたが、現在は9万9000円程度にまで下がっている。たったの4カ月弱でほぼ半値だ。

 パナソニックが14年6月1日に発売したプレミアムモデル「3つ星ビストロ NE-BS1100」の当初の実勢価格は税込み14万円前後だったが、半年以上経過して9万円を切った。さらに待って型落ちになってから購入するのも一つの手だが、そこまで待たなくても今が十分に買い時だろう。