いよいよ、毎年恒例の大イベント「東京マラソン 2015」が間近に迫ってきた。この日に向けて日々ランニングやトレーニングを続けている人から、腕(脚力)試しに参加する人、年に1回のお祭りに参加する人までさまざまだろう。とはいえ、せっかく参加するのであれば、7時間の制限時間内に完走したいところだ。

 そこで連載第1回目の今回は、マラソンを中心にスポーツをするうえで基本となる「栄養摂取」について考えていきたい。42.195kmを完走するためには、どのように食事や栄養摂取に気をつければいいのだろうか。専門家に聞いた。

食事に対する正しい知識を身に付けよう

 スポーツ栄養学の専門家である公認スポーツ栄養士の資格を持つ作田雅子氏は、マラソンに限らずスポーツの上達には日々の食生活が重要だと話す。

管理栄養士 調理師 公認スポーツ栄養士の作田雅子氏。2007年から国際武道大学の非常勤講師(スポーツ栄養学)を務めている
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 「まず、朝昼晩の3食をきちんと食べる、食べられることが大切です。ご飯などの主食をしっかり摂り、そのうえで野菜を使っているか、お味噌汁はあるか――などベースの食生活を見直します。日々の食事をおろそかにしている方に栄養素の話をしても意味がありません」

 ランニングやトレーニングを始めると、より効果的に体作りを実現するためにサプリメントやプロテインなどに頼る人も多い。しかし、そんな状況に対しても作田氏は警鐘を鳴らす。

 「プロや大学、高校などのトップ選手の場合、きつい練習をすると体だけでなく内臓も疲れるので、食べても消化吸収しにくいとか、疲れ過ぎて食べられないということもあります。それをサプリメントで補うことはあります。しかし、そこまでのレベルじゃない方や、まだ成長期の子どもがむやみにサプリメントを使うのは賛成できません」

 朝食をしっかり食べる時間がなくて、ゼリー飲料などの機能性食品で済ませてしまうという人もいるはずだ。これはマラソン当日などには有効だが、日々の朝食としては問題があるという。

 「『筋トレをせずに筋肉を付けたい』という考え方がおかしいというのは感覚的に分かると思います。内臓も筋肉で動いています。そのため固形物を食べて動かして、使っていかなければ鍛えられません。液体とか半固形などの消化しやすいものばかりを摂取すると、内臓が強くならないのです」

 運動能力を高めるためには、楽に栄養を摂取できるサプリメントなどに頼らず、まずはしっかりと食事を取って栄養を摂取する。つまり「食べる能力」「内臓の強さ」も重要になるというわけだ。

 マラソンに必要な栄養素については後述するとして、1日に食べておきたい主食・主菜・副菜のバランスは厚生労働省と農林水産省による「食事バランスガイド」を参考にしてほしい。

厚生労働省と農林水産省が作成した「食事バランスガイド」

 例えば成人男性でオフィスワーカーであれば1日2200kcalを摂取するといい。この場合、主食(ご飯中盛りなら4杯程度)、副菜(野菜料理5皿程度)、主菜(肉・魚・卵・大豆料理から3皿程度)、牛乳・乳製品(牛乳なら1本程度)、果物(みかんなら2個程度)が1日に必要な栄養素を網羅しているとのこと。詳しくは農林水産省の「早分かり!食事バランスガイド」などをご覧いただきたい。