アップルが10月に新型タブレット「iPad Air 2」と「iPad mini 3」を発売したことを受け、中古iPadの売れ行きが勢いづいている。じゃんぱら 秋葉原本店の高橋昭義氏は、「iPad mini 2(旧iPad mini Retinaディスプレイモデル)のWi-Fiモデルが圧倒的にお買い得になり、よく売れている」と語る。

 最新ではないiPad mini 2が売れる理由として、高橋氏はコストパフォーマンスの高さを挙げる。16GB版のWi-Fiモデルの中古品は、使用感の少ない美品が2万9800円前後で、多少のキズがある商品は2万7800円前後の価格が付けられていた。新しいiPad mini 3の16GBモデルは新品が4万2800円(税別)なので、両者を比較すると1万6000円以上も安い。

2万円台にまで値下がりしたiPad mini 2(旧iPad mini Retinaディスプレイモデル)。最新モデルのiPad mini 3とほとんど変わらないスペックでありながら、1万6000円以上も安く購入できる点で人気が高まっている
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 これだけの価格差があるにもかかわらず、性能の差は最小限にとどまる。本体の薄型化やギャップレスタイプの液晶パネルの搭載などで大幅にスペックアップしたiPad Air 2とは異なり、iPad mini 3はマイナーチェンジの色合いが強い。クアッドコアのA7チップやギャップレスではないRetinaディスプレイなどの装備は、従来のiPad mini 2と同じ。両者の大きな違いは、ホームボタンに指紋認証センサー「Touch ID」が搭載されたことくらいだ。手軽にセキュリティーを高められるTouch IDは確かに魅力的な装備だが、それを得るために1万6000円を上乗せできるかというと悩ましい。

 ちなみに、iPad mini 2は現行モデルとして継続販売されているが、iPad mini 3の登場を受けて価格が引き下げられた。とはいえ、16GB版のWi-Fiモデルは3万1800円(税別)なので、中古品のほうが4000円以上安く買える計算だ。ケース分ぐらいの差額はあるので、同じ予算でケースも入手できる中古品が買い得といえる。

 iPad mini 2の売れ行きが好調なのは、装備の違いが少ないiPad mini 3との価格差が大きいからだけではない。非Retinaディスプレイの初代iPad miniとの価格差が縮まったことも理由の1つとして挙げられる。

 初代iPad miniの16GB版(Wi-Fiモデル)の中古品は2万2800円前後。iPad mini 2と比べると、液晶パネルがRetinaではない1024×768ドットの低解像度であったり、iPad 2と同じ旧世代のA5チップを搭載するなど、スペック的に見劣りする部分が多い。だが、iPad mini 2との価格差は7000円前後と小さく、性能差を考慮すると7000円を追加してでもiPad mini 2を選びたくなる。

初代iPad miniの中古相場は、いまだ2万円台前半をキープしている。iPad mini 2との性能差の割に価格差が少なく、あまり買い得とはいえない
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 初代iPad miniとiPad mini 2の間には歴然とした性能差があるのに価格差が少なく、Touch IDの有無しか違いがないiPad mini 2とiPad mini 3は1万5000円を超える価格差がある。おのずとして、iPad mini 2が最善のチョイスとなるわけだ。

 ちなみに、中古ショップの店頭ではWi-Fiモデルの人気が高いという。LTE回線での通信機能を備えたWi-Fi+Cellularモデルと比べて販売価格が安いのが大きな理由だが、高橋氏はiOS 8で新たに搭載された「Instant Hotspot」の存在を挙げる。

 iOS 8のInstant Hotspotを利用すれば、同じApple IDで登録された端末同士を面倒な認証なしにテザリングでインターネットに接続できる。これまでもインターネット共有機能でテザリングできたが、Instant Hotspotを使えば面倒なパスワード入力の手間が省け、あたかもCellularモデルのような使い勝手が可能になるのだ。つまり、すでにiPhoneを所有していれば、2台目のiPadはWi-Fiモデルで十分なのだ。通信代金もiPhoneの1台分で済む。そうした事情もあって、Wi-Fiモデルがさらに好まれるようになっているのだ。

(文/白石ひろあき)


※価格情報は、すべて2014年11月2日調べ。価格は変動する可能性があり、在庫切れになるケースもあります。