「トレーニングシューズって何?」と聞かれて、その定義を即座に説明できる人は少ないだろう。

 かつて一世を風靡(ふうび)した「クロストレーニング」(複数の運動を組み合わせて行うトレーニング)のようなキーワードもあまり聞かなくなり、トレーニングシューズというカテゴリーはどちらかというとマイナーな存在となっていた。

 しかしここ最近、各ブランドから魅力的なトレーニングシューズが次々と発表され、その状況が変わりつつある。

かつて一世を風靡したクロストレーニング

 1987年、ナイキはトレーニングシューズ「ナイキ エアトレーナー」と同じタイミングで、「複数のスポーツを行うことによってバランスのよい筋肉を効率良く付ける」というクロストレーニング理論を発表。多くのトップアスリートに支持されただけでなく、街やスポーツジムでトレーニングシューズをよく見かけるようになった。

 トレーニングシューズはランニングのような縦方向の動きだけでなく、横方向の動きにも対応するのが大きな特徴。ウエイトを担いだスクワットなど、アッパーとミッドソールの接着部分に大きな負荷のかかるアクティビティにもしっかりと対応した。クロストレーニングのブームにより、1980年代後半から1990年代前半にトレーニングシューズはバスケットボールシューズとともにストリートの両翼を担う存在となった。

 あれから20年、東京のスポーツジムを見渡すと、トレーニングしている人の大半はランニングシューズを履いている。先述したようにランニングは前方への単純移動がメインなので、シンプルな構造で補強も最小限なことから、横方向の強い動きには弱い。それでも着用者が多い理由は、ランニングがライフスタイルの一部となったことで、ランニングシューズがスポーツシューズのメインストリームに躍り出たことが大きいだろう。

 しかし、最近になって各ブランドが魅力的な新製品を投入することで、トレーニングシューズが再び脚光を浴びつつあるのだ。

「ナイキ エア トレーナー HIGH」
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