キャリアが販売するスマートフォンに、他のキャリアのSIMを挿入しても通信ができないようにロックをかける、いわゆる「SIMロック」。最近、総務省がSIMロック解除の義務化の方針を示したことで、再び大きな注目を集めている。なぜ総務省は今、SIMロック解除の義務化方針を打ち出しているのだろうか。またSIMロック解除の義務化は、市場にどのような影響を与えるのだろうか。

再び持ち上がった総務省のSIMロック解除方針

 最初にSIMロックの解除に関する議論が注目されたのは2010年。この年、総務省はSIMロック解除をキャリアに求めたものの、いくつかのキャリアが反発の姿勢を見せ、公開ヒアリング、さらにはネット上でも激しい議論が繰り広げられるなどして大きな注目を集めた。

 その結果、SIMロック解除に関するガイドラインは定められたものの、それを実施するか否かは、キャリアの判断に委ねられる形となった。結果、NTTドコモが有料でSIMロック解除ができる端末を提供するようになったものの、auは3Gの通信方式が他社と異なるため解除の取り組みは実施しなかった。また、ソフトバンクモバイルもごく一部の端末のSIMロックを解除したのみだった。

 そうした状況の下、しばらくの間、SIMロック解除に関する動きは沈静化していた。だが今年に入り、総務省のICTサービス安心・安全研究会が6月30日に実施した「消費者保護ルールの見直し・充実に関するWG」で、携帯電話のクーリングオフと関連し、利用者の自由な選択を妨げているとして、キャリアにSIMロック解除を義務付ける方針を打ち出したのだ。7月14日にはICTサービス安心・安全研究会がSIMロック解除の方針を正式に決定したようで、方針通りにいけば、2015年からSIMロック解除が義務化されることとなる。

2010年に総務省が開催した、SIMロックのあり方に関する公開ヒアリングの様子。総務省は以前よりSIMロック解除に前向きな姿勢を見せていた
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