若い女性の「アホ毛」対策にブレークしているウテナのまとめ髪用ワックス、「マトメージュ」。今や、アイドルをはじめ、CA、就活生、女子高生らの髪型をキメる必需品らしい。面白いことに、これ、昭和のオヤジ向け整髪料「チック」をヒントに、顧客ターゲットを“真逆”に方向転換したアイデア商品だという。

※本記事は「顔にテープを貼って若返り!? お笑い芸人も驚く異色の美容グッズ」の続きです。ぜひあわせてご覧ください。

発売後18年目に、売れ行きの「異変」に気づく

 セルフ化粧品メーカーのウテナは、ターゲットを絞り込んだニッチ商品でヒットを飛ばしている。前回掲載した「顔にテープを貼って若返り!? お笑い芸人も驚く異色の美容グッズ」では、顔にテープを貼って「たるみ」を引き上げるという冗談みたいな中高年向け商品を紹介した。今回は一転、子どもまで含む若い女性に人気のヘアケア商品「マトメージュ」に注目する。

 マトメージュは固形ワックスをスティック状にした整髪料で、「まとめ髪スティック」として1996年に発売。以後、「まとめ髪の後れ毛を整える」用途で一部の人に細々と愛用されてきたロングセラーだが、「売れ方の“異変”に気づいた。この1年で需要がブレークしている」とマーケティング部の廣津誠部長は指摘する。

 同商品の発売から2013年7月までの累計販売個数は1200万個。2013年度の売り上げ前年比は124%。発売後18年目にしてこの伸び率は、同社では極めてめずらしいという。「特に目立つのが、関西国際空港など空港内のドラッグストアでの売上比率。関空出国エリアのある店舗では、2013年と2011年を比べると185%の売り上げを記録した」と廣津さんも驚きを隠せない。

 商品はコレです。サイズは直径4.5センチ、高さ3.3センチ。小さくて女性の手にも扱いやすい。

マトメージュのスーパーホールド(左)と、レギュラー(右)。各550円(税別)。@cosme (アットコスメ)クチコミランキングのヘアワックス・クリーム部門で不動の第1位に輝く(画像提供:ウテナ)
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 使い方は簡単。フタを開け、ワックス部分を髪になでつけるだけだ。

マトメージュの直径は4.5センチ。ポケットサイズで扱いやすい(画像提供:ウテナ)
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フタを開けると
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リップクリームのような「繰り出し式」ではなく、すぐさまワックスが使える単純な形なんです
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CAもポケットに常備する必需品

 近頃、成田国際空港や中部国際空港、関西国際空港内のドラッグストアで売れまくっているというマトメージュ。ANAのフェイスブック、エアライン受験対策本、現役CAらによる養成講座でも「CAの必需品」として推奨されているという。

 CAの髪型といえば「お団子ヘア」が定番だ。短い毛がパラパラ落ちてこないようにコレをなでつける。空港内のドラッグストアでバカ売れするのは、CAが大量買いするから。なかでも最も売れる関空の店舗では、購入者の8割がCA、残り2割が外国人観光客とのこと。「特にアジア系航空会社のCAさんが、日本人CAさんの口コミで大量購入しているそうです」(廣津さん)

 「CAさんは、トイレを掃除する時間が、身だしなみもチェックする時間なんですって」。マーケティング部 広報宣伝課 専任課長の八重樫亜弥さんがこう教えてくれた。「わずかな合間にお化粧も髪も直さないといけない。いつもポケットにマトメージュを入れているそうです。スプレータイプの整髪料だとパリパリに固まって、一度乱れると手直しがきかない。コレは、なでつければすぐに人前に出られるので、とても重宝していると何人もの方から聞いています。先日飛行機に乗った際、思わずCAさんのポケットを見ると、容器の丸い形がポコっと浮き出ていましたよ(笑)」