今回のテーマ:家電量販店で「4Kテレビ」を目にしたことがある方も多いと思う。しかし、「8Kテレビ」というものもそう遠からず登場してくるらしい。そもそも、4Kと8Kはどんなもので何が違うのだろう?

 2011年7月、日本の地上波テレビ放送はアナログ放送が停波となり、地上波デジタル放送に切り替わった。東日本大震災が発生したために、岩手・宮城・福島の三県ではアナログ停波が延期されたが、それも2012年3月末で終わり、日本のテレビ放送は完全にデジタルに切り替わった。アナログテレビの放送は1953年から2012年まで59年間続いたわけだ。ところが今度は、デジタルに完全に切り替わってからたった約2年で、早くも次世代テレビの試験放送が始まった。

 放送事業者や電機メーカーで構成される次世代放送推進フォーラムという組織が、2014年6月2日から通信衛星事業者であるスカパーJSATの衛星を使って試験放送チャンネル「チャンネル4K」を毎日午後1時から午後7時まで6時間の放送を開始したのである。

 この「4K」、あるいは「8K」と呼ばれる次世代テレビ放送とはどんなものなのだろうか。

ソニーが7月26日に発売する4Kテレビ「KD-85X9500B」(85V型)
[画像のクリックで拡大表示]

 実は4Kは4096の、8Kは8192の略だ。

 1000mの距離は1kmとも表記する。小文字の「k」は国際標準のSI単位系で1000倍を意味する接頭辞だ。それに対してデジタルの世界では2の10乗=1024の事を大文字の「K」で表記する。

 現在のテレビの画面は横1920×縦1080ピクセルの画素で画面を構成している。これに対して4Kテレビは、縦横共に2倍の3840×2160ピクセル、8Kテレビは4倍の7680×4320ピクセルで画面が構成される。それぞれ横方向のピクセル数がほぼ4000と8000になるので、4K、8Kと言いならわしているわけだ。

 4Kテレビには、世界各国の通信管轄官庁が加盟する国際電気通信連合(ITU)という国際組織が定めた「4K UHDTV」という規格が存在する。ところが映画撮影用カメラのために映画製作会社の業界団体「Digital Cinema Initiatives(DCI)」が制定した4096×2160ピクセルの「DCI 4K」という規格もあるので、おおよそ4000×2000ピクセル前後の動画像の規格はすべて4Kと呼んでいる。縦方向も含めた「4K2K」という言い方もある。

 これに対して8Kは、日本放送協会(NHK)が次世代放送の本命として、1990年代半ばから「スーパーハイビジョン」という名称で開発を続けてきたものだ。こちらも2012年にITUの国際規格となっている。

 画素が増えて密度が高くなるので、4K、8Kのテレビは現在のデジタル放送と比べても各段に美しくなる。1秒間に映し出すコマ数は、4Kがデジタル放送と同じ60枚だが、8Kは120枚と画面の動きもスムーズだ。音もコンパクト・ディスク以上の高品位の音声信号が規格となっていて、5.1サラウンドはおろか8Kでは、音の方向だけではなく、どれぐらい高いところからの音かという音の来る高さ方向も再現できる22チャンネルの多チャンネル音声の再生も可能になっている。