夏本番を迎えようとしている今、女性がより敏感に感じるというにおい対策は、ビジネスパーソンにとって必須のエチケットと言える。最近、30代から40代の男性特有のヤバイにおいが注目を集めている。汗とアブラが混じったような臭気で、加齢臭と言われる枯れた藁のようなにおいとは別のものだ。このにおいの成分と発生メカニズムを特定したマンダムでは、これを「ミドル脂臭」と名付けている。実は、このにおいの抑制にフラボノイドが効果的であることは、あまり知られていない。

 フラボノイドは、植物の苦みや渋みなどの成分の総称「ポリフェノール」の中の代表的な成分で、ある特定の構造を持つ高分子化合物だ。蕎麦に含まれるルチン、大豆のイソフラボン、お茶のカテキンなど、健康食品の分野でよく耳にする成分もフラボノイドに属している。

 では、男の嫌なにおいであるミドル脂臭を抑制するフラボノイドとは何か。「カンゾウ(甘草)、ケイヒ(桂皮)、ビルベリー、ユキノシタの植物エキスに含まれるフラボノイド群だと考えています」と、マンダム 技術開発センター 基盤技術開発課 主任研究員の原武史氏は言う。

マンダム 技術開発センター 基盤技術開発課の原武史主任研究員(臭気判定士)

 カンゾウ、ケイヒは漢方の生薬として知られ、ユキノシタも薬味として使われる。ビルベリーはブルーベリーの一種である。どれもみな体に良さそうなものばかりだ。

 フラボノイドを含むこれら4つの植物エキスは、どのようにしてミドル脂臭の発生を抑制しているのだろうか。

 まず、その発生メカニズムをおさらいしておこう(「男の体は一生臭い!? ミドルにもあった悲しき「脂臭」とは」参照)。

 汗には乳酸が含まれている。乳酸を頭皮に住む皮膚常在菌(ブドウ球菌)が代謝・分解すると「ジアセチル」という物質が発生する。このジアセチルと中鎖脂肪酸(皮脂)の臭いが混ざり合うと、不快なミドル脂臭となる。

ジアセチルの発生メカニズム
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 つまり、原因物質であるジアセチルの発生を抑制できれば、ミドル脂臭を防ぐことができる。マンダムの研究チームが発見したのは「ブドウ球菌による乳酸の代謝を抑制する方法」だった。「フラボノイドが含まれた4つの植物エキスを与えると、ブドウ球菌は、乳酸を取り込まなくなります。取り込まなければ代謝できないため、ジアセチルも発生せず、ミドル脂臭も発生しなくなるわけです」(原氏)。

植物性フラボノイドによるジアセチルの発生抑制
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