「台湾に行くなら誠品書店に立ち寄るべき」。誠品書店に行ったことのある人は、誰もが口を揃える。

 台湾のカルチャー発信源である誠品書店が、またひとつ、新業態の店舗をオープンさせた。

台北101の近くにある誠品信義旗艦店
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 ここで誠品書店(以下、誠品)をおさらいしてみよう。創業は1989年。台北市大安區仁愛路に第一号店を開き、6年後の1995年に現在の敦南店の場所に移転する。このタイミングでファッションや飲食、ライフスタイル雑貨を中心に、台湾の中でも特に洗練されたブランドを集積させた。そして書店部分は24時間オープンとし、これが大変に話題を呼ぶことになる。

 24時間オープンとしたのは、当時の顧客に「どんな書店がほしいか」とヒアリングしたところ、一番多かった回答が「24時間開いている書店がほしい」という意見だったからだ。そんな“深夜の”敦南店は、アーティストやクリエイター、芸能人たちが贔屓にし、まるで同時期における六本木の青山ブックセンターのような華やかな雰囲気だったのだろうと想像できる。

 そして2006年、台湾の副都心、信義区にそびえる超高層ビル「台北101」の近くに地上6階地下2階フロアを有する誠品信義旗艦店をオープン。台湾人だけでなく、アジア各国、いや世界中から毎年1000万人を超える来店があるという。

 その外観からは「書店」とは想像しがたく、エントランスや1階付近の高感度なファッションエリアを見て、初めて訪れる人は「ファッションビルの中にテナントで書店が入っているのか?」と勘違いする人も多い。だが、2階3階を占める書店エリアに進むと、その充実ぶりにたいていの人は満足できるだろう。なにせ本は100万冊を超えるラインナップなのだから。すさまじい出版・書店不況の中、このスタイル、この業態は業界内外から注目を集めており、世界中から視察が絶えないという。