ファッションという視点で消費者や市場の動向を分析してきた伊藤忠ファッションシステム ifs未来研究所所長の川島蓉子氏がトレンドをけん引する企業トップを直撃。一流の経営者にとって「デザイン」の役割とは? “経営とデザインの未来”を探る。
 今回はデパ地下で人気の持ち帰り惣菜店「RF1(アール・エフ・ワン)」で知られているロック・フィールドの岩田弘三社長に直撃した後編。(前編はこちら)

――持ち帰り惣菜店「RF1(アール・エフ・ワン)」は今や全国のデパ地下やエキナカで数多く展開されています。

岩田: 多くのお客様の支持を集めてきたことは、たいへんありがたいと感謝しています。ただ、今はここ数年間を振り返って反省し、改めて明快なメッセージを出す時期に差し掛かっているのです。

 社内では「これからのお客様は誰ですか?」という問いを常に投げかけています。従来のお得意様も含めて改めてターゲットを見直し、そこに向けた“強いデザイン”を発信していこうと考えています。

――強いデザインとはどういうことですか。

岩田: デザインとは「思いを可視化」することだと、僕はとらえています。つまり、企業の価値やモノづくりの姿勢を視覚的に示すものであり、立派な経営資源のひとつなのです。

 だから、うちが持っている価値やモノづくりの姿勢を明快にし、それを言葉やビジュアルで表現する。デザイナーの力をお借りし、その部分を再構築していくということです。言葉=コピーにしても、販促物などのグラフィックにしても、店頭での商品の陳列の仕方にしても、時代の半歩先、一歩先を行くものを提案しなければならないですから。

ロック・フィールドの岩田弘三社長は1940年神戸市生まれ。日本料理店で修行後、独立して飲食店などを経営。1965年、25歳の時に「レストランフック」を開業。1970年、外食の視察に訪れた欧米で出会ったデリカテッセンに衝撃と感銘を受け、「中食」での起業を決意。1972年にロック・フィールドを設立して社長に就任。現在「RF1」「神戸コロッケ」など7ブランドの惣菜店を全国に340店舗展開する。「サラダ」というツールを通してデリカテッセンという新しい食文化を日本中に広め、総菜のさらなる可能性を追求し、新しい食の価値創造に努めたことが評価され、2013年に「ベスト・プロデュース賞」を受賞
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