今回は、カールツァイスのミラーレス一眼用レンズ「Touit 2.8/12」を取り上げる。35mm判換算で18mm相当の撮影が楽しめる広角レンズで、オートフォーカスにも対応する。こだわりの光学設計による表現力がどれほどのものか、実写画像とともにチェックしていきたい。

カールツァイスの広角レンズ「Touit 2.8/12」。富士フイルムのXマウント用と、ソニーのEマウント用の2種類を用意する。実勢価格は12万円前後
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 この連載で取り上げるレンズは、編集部との打ち合わせで決まったら1~2週間で撮影してしまうことが多い。ところが、この「Touit 2.8/12」は油断していたら、撮り始めてから半年以上が経っていた。35mm判換算で18mm相当という画角がハマるシチュエーションを探していたら、時間が経ってしまったのだ。よって、今回の作例は真夏から真冬まで、妙に季節感豊かになってしまった。

 実をいうと超広角、シカノはとても苦手なのである。もちろん、依頼仕事で狭い室内を撮らなければいけないときや、広がりのある絵をオーダーされたときは、ふつうに超広角で撮ることはある。ただし、自分から好んで20mm以下のレンズを選ぶことはまずない。画面内に多くの要素が入りすぎてしまうので、構図を作る過程で疲れてしまうのだ。だから超広角でかっこいいポートレートを撮るような人は素直に尊敬してしまう。

 そんな僕でも、このレンズは個人的にちょっと欲しくなってしまった。隅々までシャープでクリア。広角レンズで気になりがちなゆがみも皆無。何より、視界を丸ごと切り取ってしまう潔さは、広角ズームを使うのともまたひと味違う。ラッパのような鏡筒も超広角レンズらしさ満点で、持っているだけでワクワクするレンズだ。

対角線99度という画角は、街角のスナップを楽しくさせてくれる(FUJIFILM X-M1使用、ISO200、1/200秒、F5.6)
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強い遠近感も特徴だが、構図によっては穏やかに見せることもできる(FUJIFILM X-M1使用、ISO200、1/120秒、F2.8)
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赤い欄干がゆがんでいるのは、レンズのせいではなくて実際にこのかたちだから。青空のヌケは、さすがカールツァイスだ(FUJIFILM X-E2使用、ISO200、1/950秒、F8)
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