ホワイトローズ「かてーる16」
amazonでの販売価格5250円。選挙用に開発された「カテール」シリーズはほかにカテール、シンカテール、シンカテールクラシックなども。ホワイトローズ社は墓前読経用のテラ・ボゼン、正装用のモンツキー、園遊会用として宮内庁にも献上したエンユウなどの高級ビニール傘も製作している
公式サイト:http://park19.wakwak.com/~w-rose/index.html
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ビニール傘は幕府御用達雨具メーカーの発明だった!

 私事だが小学生のころ、通知表の「基本的生活習慣×」と記されたその横に、必ずや書かれている先生のコメントがあった。

 「ハンカチや傘を持ってくるのを、よく忘れます」

 そうそう。女子同士でトイレに行ったとき、ひとりだけ手を拭くハンカチを取り出せない気まずさったら。100%予報通りの雨なのに、「すいません」と友だちに入れてもらう肩身の狭さったら。

 三つ子の魂百までも、とはよく言ったもんで。実は今もハンカチはよく忘れて、こっそりズボンで手を拭いたりしている。一方、傘忘れストレスのほうは、かなり解消された。なんせ安いビニール傘が、そこらのコンビニでも、100円ショップでも買えるようになったから。

 日本洋傘振興協議会のホームページによると、日本の1年間の傘消費量は、推定1億2000万~1億3000万本。うちビニール傘の割合は「調査をおこなっていない」とあるものの、まあ、台風のあととか、道端に無数のビニール傘の残骸がオブジェになってる光景を考えると、どう考えてもそのほとんどを占めていると思う。

 そうして今では、きちんと傘を持って歩かない人たちが気軽すぎるほど気軽に買って、雨が上がればどこにでも忘れてくる……そんな非エコなグッズの象徴みたいに言われることも多いビニール傘。でもこれ、愛用してみると、安さ、手軽さだけじゃないメリットがある。透明だから視界がいいのだ。

 自分の場合は、雨の日の犬の散歩は決まってコレ。突然の雨の日、コンビニで売れ残っていた特大70センチのビニール傘を買ったその日から、犬も車もよく見えるビニール傘の便利さに開眼、雨の日の散歩には必ずこれを、傘立てから探すようになった。

 で、今回導入したのが、そのビニール傘の最高峰、ホワイトローズの「かてーる16」だ。妙なネーミングだが、話はビニール傘の誕生物語にさかのぼる。

 テレビや雑誌でもたびたび紹介されていることだけど、ここであらためておさらい。

 そもそもこの会社は、徳川幕府御用達。参勤交代などの際に使われる雨具も一手に納入していた歴史ある雨具メーカーだ。1940年代には広げた傘を覆うために使う、ビニール製の傘カバーを開発して大ヒットを飛ばしたことでも知られる。

 この傘カバーとやら、人が雨に濡れないためにさす傘なのに、その傘にまたカバーをしてしまうというB級グッズみたいだが、実はそうじゃない。当時の傘はほとんどが木綿などでできていて、雨に濡れたときの色落ち問題は深刻。服を汚すことも多かった。そこで同社が、進駐軍が使っていたビニールのテーブルクロスで作ったのが、この傘カバーだった。

 この傘カバーをヒントに、1958年にはビニールそのもので作った傘を開発し、世界で初めて発売、これがビニール傘の世界第1号となった。