10年後の自動車業界に起こることとは

 米国ラスベガスで毎年開催される世界最大の家電製品の見本市「コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)」で、2014年に最も注目を集めた商品は家電商品ではなく自動車だった。

 本来、CESには縁が薄いと考えられてきた自動車メーカー各社が、最新の電気自動車で参加したのだが、それだけではない。日本最大の家電メーカーであるパナソニックも車載機器など自動車関連製品の展示に力を入れていたのだ。

 2013年のCESでパナソニックの津賀一宏社長は、「パナソニックは将来自動車メーカーになるかもしれない」と発言したそうだが、実は、パナソニックにとってこれはリップサービスではなく、真面目に本命のビジネスになるかもしれないというのが、今回のコラムのテーマだ。

 ポイントは、自動車業界が近々、2つの技術的イノベーションの洗礼に遭うということだ。

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 今後の10年間で、自動車業界では(1)電気自動車への移行、(2)(Googleも開発中の)自動運転車の出現という2つのイノベーションが起きることで、10年後の近未来には破壊的な変動が起こっていると予想される。

 私もそのことを1年間かけて取材し、「10年後躍進する会社 潰れる会社」(角川書店)という本を書いたのだが、結論としては、10年後の2024年、自動車業界に関して言えば、トヨタ・日産など完成車メーカーは危険、ブリヂストンなど一部の部品メーカーはまあ安泰、電機メーカーやIT関連企業には大いにチャンスあり、というのが私の分析結果だ。

 その文脈で言えば、CESに出展する多くのエレクトロニクスメーカーが自動車関連商品に力を入れているのは、今、エレクトロニクス業界にとって「自動車はチャンスだ」と見えているからのことである。

 さて、なぜ10年後、トヨタや日産のような完成車メーカーが苦戦するのか? なぜ一部の部品メーカーはその変化の中でも安泰なのか? そしてなぜパナソニックの社長が「将来自動車メーカーになるかもしれない」と語るのか?

 今、自動車業界に起きつつある変化についてお話ししたい。