ユーザー視点の辛口評価で好評の戸田覚氏による連載。2014年がいよいよスタートした。本年最初の記事として、当連載では恒例となっている「今年の予測」をお届けしよう。

 製品は進化していくと、必ず壁に突き当たる。団塊の世代は、エアコンやミシンが欲しくて必死に働いたという。僕が社会に出たころは、ファクシミリが普及しはじめた時期で、家庭用FAXやらコードレス電話のCMをよく目にしたものだ。ところが、今ではこれらの製品は全部当たり前になってしまい、宣伝もあまりされていない。テレビでもエアコンのCMを見かける程度。しかもセールスポイントが省エネだったりする。

 どんな製品でも機能が向上してユーザーのニーズを上回ると、積極的には買われなくなる。僕が子供のころは、電卓が欲しくて仕方なかった。当時は数千円したのだが、今となっては100円ショップで販売されている。電卓の機能を今以上に向上させたところで、普通のユーザーは買い替えようとは思わないだろう。四則演算ができて10桁もあれば十分だからだ。このようにユーザーのニーズに製品が追いつき、追い越してしまうことを、僕は“枯れた”と表現している。

 いよいよパソコンも“枯れた感”が出てきた。もはや中堅モデルでも性能は十分だろう。そう感じるのはソフトが進化していないからだ。魅力的なソフトが登場して、しかもハードウエアがリッチでなければ快適に使えなければ、ユーザーは買い替えを考える。しかし、何年もパソコンのメジャーソフトが全く登場していないことを考えると、いよいよ枯れてきたと言わざるを得ない。今後は、クラウド系のツールが主流になると思われ、パソコンを使う必然性すらなくなりそうだ。

 そんななか、ソフトが出ない代わりに、本体を進化させたのがウルトラブックだ。しかし、薄型軽量化にも限界がある。そういう意味では、ここへ来て魅力的なウルトラブックがなくなりつつあるのは自然な流れだろう。

パナソニックのレッツノートCF-AX3は11.6型の液晶を搭載しつつ、約1.14kgの軽さ、約18mmの薄さ
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