2013年10月に「マツダ・アクセラ プロトタイプ ああ素晴らしき、マツダ理想主義!」でインプレッションを伝えたマツダの新型「アクセラ」。2013年11月21日に発売されたが、すでに12月19日時点で、累計受注台数が約1万6000台に達したと発表されている。小沢コージも「なぜVW? 2013年下半期版・小沢が本気で欲しいと思った新車ベスト5」でも2位に挙げて注目するアクセラだが、果たして公道インプレは?

【コンセプト】プリウスのユニットを使ったマツダ流ハイブリッド

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 「結局、あのスペックにしないと最高効率が出ないんですよ」

 そのひと言で、ハイブリッドカー作りの面白さと同時に難しさまで分かった気がした。そう、先日、やっと公道試乗が可能になった新型マツダ「アクセラ」だ。

 昔で言う“ゴルフ クラス”、つまり世界で最も売れる世界戦略コンパクトカーの3代目でボディータイプは現在ハッチバックとセダンの2種類。

 既にプロトタイプ試乗は終わっていたが、ついに公道試乗が許され、待望のハイブリッドモデルも登場。新型アクセラは、同じマツダのSUV「CX-5」やミディアムセダンの「アテンザ」で評判の低圧縮ディーゼルエンジンや高圧縮ガソリンエンジンだけでなく、マツダ初のストロングハイブリッド仕様も選べる。しかも国内需要の約4割をハイブリッドと見込んでるって話で、意外にもハイブリッド中心の布陣。不肖オザワも気になって出かけたわけだ。

 というのも、このハイブリッドユニットは「SKYACTIV-HYBRID」と言いつつ、ほぼトヨタ製。エンジン以外のモーターやインバーターなどの制御システムは技術ライセンス供与を受けて、プリウスのものを使うわけで、プライドの高いマツダ開発陣が心底それを喜んでいるとは思えない。

 よって唯一使えるオリジナルのエンジンやそのほかボディー回りでどれだけマツダの味が出せるのか? 実際出しているのか? が気になっていたのだ。

ヒロシマの天然少女がロッテンマイヤー家に!?

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 すると驚くことにエンジンスペックは最高出力や最大トルクはもちろん、発生回転数に至るまでプリウスとまったく同じ。エンジンはプリウスがトヨタ製1.8L直4で、アクセラハイブリッドがマツダ製スカイアクティブ2L直4なだけに、排気量の違いもあり、エンジンの存在がより強く出たハイブリッドになるかと思っていたら全然違う。

 新たに燃費重視のアトキンソンサイクルを導入し、圧縮比を14に高めて、最高出力はベースの2Lエンジンから56ps落ちの99ps、最大トルクは5.5kgm落ちの14.5kgmとし、トヨタの設計枠に当てはめられている。そうしないと設計通りの燃費性能が出ないようで、結局、ハイブリッドシステムにおけるエンジンとは、パワー特性や味わいを司る「心臓」というより、ほぼ「発電用原動機」に近い位置づけにあるのだ。

 もちろん、微妙なエンジン特性やサウンドはマツダ流になっているが、全体はトヨタ流。まるでアルプスの天然少女ハイジが、フランクフルトのロッテンマイヤー家に入って教育を受けているような感じもあるが、それはそれ。広島の苦労人マツダはそれでもなんとか我流や個性を押し出しているようで、その辺りを中心にレポートしよう。

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