東京・文京区のパン屋さん「アトリエ・ド・マヌビッシュ」
一番人気の看板商品、パン・ド・ミは1.5斤1本が483円
住所:東京都文京区西片1-2-2
TEL&FAX:03-5804-4242
WEB:http://www.mannebiches.com/
[画像のクリックで拡大表示]

たかが食パンと言うなかれ。パン・ド・ミ様だ!!

 唐突にすいませんが、小学校の給食に出ていたパンがどうにも安物でまずかった、ってのが原体験となり、“米>パン”という圧倒的優先順位が形成されてしまった、という人、結構いませんか?  しかも当時は減反政策中。お米の給食は週に1回か2回。待ち遠しかったよ、月曜と木曜が(笑)。その後は味よりも量を重んじる中学、高校時代を経て、上京し、苦学生となるも時はバブルの真っ只中。東京の家賃はもちろん、マクドナルドの価格設定も今からは考えられないほど強気だったっけ。レストランや小粋なベーカリーなどは学生の禁足地。腹にたまらぬパンなぞ食っとる場合じゃねぇ、米持って来い、米ぇっ!

 ……はぁはぁ、ちょっと青春時代の苦悶を思い出し熱くなってしまい失礼いたしました。でもこれって案外「40代あるある」になると思うんだけどなぁ。

 かくいうワタクシではありますが、世の中にはそんな40代男子を小躍りさせてしまうパンもあるもんでございます。しかもそれは何の変哲もない「食パン」。いや、変哲はある。いやいや、むしろ変哲しかない食パンのお話に今日はお付き合いいただけましたら幸いであります。

[画像のクリックで拡大表示]

 まずは写真をご覧ください。一見するとどこにでもあるトーストと切ったまんまの食パンですが、まじまじと眺めればキツネ色を遥かに超えた濃い色の耳、そしてしっかり詰まった中身の生成り色とのコントラストがおわかりいただけるかと。食べてみれば見た目から想像されるとおりの硬く香ばしい耳ながらサックリとした軽い歯切れ。中身はというと焼いた表面はわずかにパリっとしながら、その後にやってくる柔らかな感触とほんのりとした甘み、微かな塩気。生でかじったことなどもちろんないワタクシにも“これなんだろうな”とわかる小麦の味(笑)。イースト臭も感じられず、自然そのもののような風味。強いて言うなら“おひさまの味”てなところでしょうか。

 とにかく旨いので1枚は何もつけずに”瞬殺”。次の1枚はちょっと奢ってエシレの発酵バターを。塩気と脂をまとったトーストは焼いたままの食パンとは別次元の旨さ。何もつけずに食べたときの感触のすべてが増幅され、なんというか、もうこれは他の料理そっちのけでパンだけ食べ続けたい状態になってしまうほど。

 食パン1枚で何を大げさに、とお思いかもしれませんが、初めてこれを食べたときの偽らざる感想を書いた次第です。大マジです。以来、なんの迷いもなく我が家では食パンといえばこれと決まりました。