築地場内にある仲卸「樋長」の8代目、飯田統一郎さん
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 築地のマグロ仲卸の達人、飯田統一郎さん。飯田さんは1861年に創業した築地の仲卸「樋長(ひちょう)」の8代目当主にあたります。「魚河岸三代目」ならぬ、なんと魚河岸八代目です。

 築地のマグロのセリはマスコミでも取り上げられて話題ですが、一体誰がどうやって極上のマグロを見分け、それがどのようなかたちで消費者に届けられているのかは意外と知られていません。今回はその点に踏み込んで、その核となっている「仲卸」の達人の飯田さんにお話をうかがいました。その前に、築地についてはいろいろと分かりにくいところも多いようなので最初に少し事実を整理してみましょう。

築地入門1:場内と場外

 築地は一般に「魚河岸」とか「河岸」と言われているように、その中心は魚市場です。それは青果部と合わせて「築地市場」と呼ばれて公設の東京都中央卸売市場の1つとして東京都によって管理運営されています。この築地市場は下記の地図のピンクの部分に当たりますが、通常ここは関係者しか入れないことになっていて、われわれ一般人が接するのはその外側にある「場外市場」とか「場外」と言われる場所になります。それに対して築地市場自体は「場内」とも呼ばれています。

 場内ではマグロなどの鮮魚が業者間で取引されますが、場外は肉、野菜、海苔、鰹節、珍味などさまざまな食材が主として料理人などのプロのために売られています。ここは普通の商店街なので、一般の人も買物と観光で大勢押し寄せているのは周知のとおりです。昨今、話題になっている移転は場内のことで、場外は移転しないでそのまま今の場所に留まることが決まっています。

築地市場のある街。「築地市場について」より引用
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