一口で魅了された、その複雑で奥深い世界

 今、飲食業界で熱い視線を集めているのが「クラフトビール」だ。首都圏ではクラフトビールが楽しめるお店が毎週のように新規オープンしている。夏が近づけば市販の雑誌やフリーペーパーではこぞって特集を組み、春から秋にかけては国内のどこかで毎週のように(そして往々にして重複して)ビアイベントが開催され、多くの人が詰めかけている。クラフトビールは現在大きな盛り上がりを見せているのだ。

各地でのクラフトビールイベントも大きな盛り上がりを見せる写真提供:クラフトビア アソシエーション(日本地ビール協会)
[画像のクリックで拡大表示]

 私がクラフトビールを知るようになったもともとのきっかけは、2004年ごろに友人からベルギービールを教えてもらったことだ。最初の一口で、その複雑で奥深い世界に魅了され、飲めば飲むほど「この世界を知りたい」と惹き込まれた。そのなかで、世界には100以上のビールの種類(『ビアスタイル』と言う)があることや、多くのビールは「新鮮なほどおいしい」ということも知った。

 ビールの魅力はまずなんといっても「おいしさ」だが、「人の輪」も大きな魅力の一つだと思う。おいしいビールを飲ませる良いお店は、スタッフがその日のビールについて丁寧に教えてくれるし、質問に答えてくれる。ビアイベントに行けばこの輪にブルワー(醸造士)が入り、無限の広がりを見せる。いつしか私はこの楽しさにとらわれ、抜け出せなくなった。

 本シリーズでは3回にわたって、クラフトビールの盛り上がりをデータで紹介する。数字を見る前に、まず「クラフトビール」とは何なのか、おさえておこう。