市原平兵衞商店「みやこばし」
大6300円、中5250円、小4620円。自分にあった箸を手にとって選んでほしいということから、基本的に通販はしていない。店頭または、全国のデパートで年に15回ほど行われている京都物産展で手に入れることができる

市原平兵衞商店
京都市下京区堺町通四条下ル小石町118-1
電話:075・341・3831
営業時間10時~18時30分(日・祝11~18時)、不定休
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「日本の箸の真の実力」に気づかせてくれる箸があった!

 ハ~イっ! みなさん、箸使ってますかっ?

 って、のっけから「ナニを今さら……」と怒られてしまいそうな出だしでスンマセン。だが、いままで箸だと信じて疑わずに使ってきたモノが、実は「箸とは名ばかりの棒っ切れ」かもしれないと言うと、ちと驚かれる方も多いのではないだろうか? 

 もっともボクも40歳になるまで実のところ、「箸なんて、真っすぐな2本の棒で、先っぽが細く削ってあるヤツ」的な認識しかなかったのだけれど。

 もともとボクは、箸使いにかなり自信があった。料理屋さんで「箸使いがお上手ですね」なんてホメられると、「ハイハイ! ナニシロ、箸歴40年ですから……」と軽口を叩いた覚えもある。まぁ、お世辞に決まっているのだが、日本人なんだから、箸ぐらい使えて当たり前だろう?ってな軽い思い上がりもあったりもした。

 なんてったって思い出すにも恐ろしい、ガミガミと口やかましい昭和一桁のオフクロに育てられたのだもの。農家育ちの母なので茶碗に米一粒でも残そうものなら、ドえらい勢いで怒られたものだ(それにしちゃあ、生活態度がなってないと先輩諸兄のお叱りの声が聞こえてきそうだが、まぁ、幼少期に厳しく育てられた反動だとお察しください)。

汁物に入った三つ葉の茎もこの通り、軽々と摘まめる箸があるなんて、ちょっと驚きなのである
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 そんなボクだが「箸選びは?」と問われれば、とっても無頓着なものであった。「漆の塗り色がキレイだね」とか「オトコの箸は、やっぱ長くて黒っぽいのだよね」程度の感覚でしか選んでこなかったのだ。なんたるアサハカさ、恥ずかしいにもほどがある。

 なので、かつての普段使いの箸といえば、「ちっと男前に見えて、一家5人の家長として重量感のある黒檀で長めのモノ」というのがボク的定番であった(これもボクのくだらない先入観なのだが)。

 今にして思えば、無知てのは恐ろしい。男っぽいとか、色が綺麗だとか、重さがちょうど良いとか、箸の本質からはかけ離れたところで箸を選ぶことしか知らなかったのだ。

 が、ある日手にした一膳の箸のおかげで、実はボクは、箸ってものがまるきりわかっていなかった、って事実に気がついてしまったのである。

 市原平兵衞商店さんの「みやこばし」がそれだ。一見、な~んてことのない細身なシェイプの竹の箸。ボクに40年ほど染みついていた箸の概念をガラッと変えてくれた。