ダイハツ工業が2003年に発売を開始した軽乗用車「タント」をフルモデルチェンジし、2013年10月3日発売。子育て世代の女性に支持されつつも、ホンダ「N BOX」の登場で王者の地位を追われたタントは、どう変わったのだろうか。

【コンセプト】タントとはなにか? をトコトン考え抜いた

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 「とにかくお客様の期待を裏切らないモノにしようと。タントらしさとはなにかと1年ぐらい考え抜きましたね」とはチーフエンジニアの片山英則さん。

 ある意味、いま最も注目の軽自動車が発表された。3代目ダイハツ「タント」だ。2003年に生まれた軽自動車におけるスペース系のパイオニアであり、2011年まで同ジャンルでトップを走っていた累計販売115万台の盤石なディフェンディングチャンピオンである。

 ところが2012年頭にニューカマー、ホンダ「N BOX」が登場してからというもの、状況は様変わり。同年4月にはN BOXがタントのみならずダイハツ「ミラ」やスズキ「ワゴンR」も抜いて軽乗用車月販トップに躍り出て以来、2012年9月を除き2013年の2月まで連続トップ。その後、数カ月は2位となったが2013年8月から再びトップ。

 それだけじゃない。今春、超スペース系のガチのライバルであるスズキ「スペーシア」まで登場すると、N BOXほどの威力はないものの7月以降抜かれっぱなし。モデル末期とはいえ、昔ほど絶対的な存在ではなくなっているのだ。

もしやちょっと拍子抜け?

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 というわけで満を持してフルモデルチェンジした3代目タントだが、意外にも分かりやすいアピール、つまりスペック勝負はしてきてない。ちょっと拍子抜けではある。

 もちろん室内スペースはすばらしく広く、112cmまで広がった前後シートのカップルディスタンスや、フロントウインドーが前に出て拡大した87cmのフロント頭前空間=ヘッダ距離や23cmのヘッドクリアランスは軽自動車ナンバーワン!

 ところが測定方法が各メーカー違うこともあるが室内長や室内高はあまり広さをうたっていない。もちろん既に十分以上ということもあるが、もしやN BOXやスペーシアを絶対的には上回っていないのかもしれない。

 なにより不肖オザワが驚いたのはモード燃費だ。個人的には既にナンセンスな領域に入ってきているとは思うが、これだけエコが叫ばれる中、てっきり今クラストップのスペーシアの29km/Lを超えてくるかと思いきや、最高28km/L。現行より約10%アップしてるとはいえ、オキテ破りの仁義なき戦い……とは言い難い。

 だが、今回のタントはそういう大人の進化であり、実質重視のフルモデルチェンジがキモなのだ。そこを不肖オザワが細かく見ていこう。

ダイハツ「タント」(左)と「タント カスタム」(右)
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ダイハツ「タント」(右)と「タント カスタム」(左)
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