ANA(ANAホールディングス)とマレーシアのエアアジア社との合弁による国内LCC(格安航空会社)「エアアジア・ジャパン」が2012年8月に就航して丸1年。搭乗率の低迷、コスト管理、営業戦略などの意見の相違からエアアジア社との合弁を今年6月28日に解消し、11月1日からANA100%資本の新会社「バニラ・エア」(英文名:Vanilla Air)として再出発することを2013年8月20日に発表した(エアアジアブランドでの運航は今年10月26日で終了する)。

 成田国際空港を拠点に、国内外の旅行需要の多い路線(レジャー・リゾート路線)を中心に路線展開を行う予定。飛行機の調達及び就航準備などの関係もあり、実際の運航開始は今年12月下旬を予定している。

バニラ・エアの社長となるANA出身の石井知祥現エアアジア・ジャパン社長
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「バニラ・エア」の名前の由来は?

 バニラ・エアのブランドカラーはブルーとイエロー。レジャー・リゾート路線を中心とする航空会社を表現するため、空と海をイメージして心地よい解放感のあるブルー、太陽をイメージして華やかさや楽しさを表すイエローの2色を採用し、バニラの花をかたどったロゴデザインになっている。

 「バニラ」という名前の由来は、バニラはシンプルで洗練された味わいから世界中の人々に親しまれており、その香りが多くの人をリラックスさせ、満ち足りた気分にさせてくれることから。バニラ・エアを通じ、日本、アジアそして世界の人々により楽しい旅をしてほしいという願いが込められている。

 また、身近に飛行機を利用してほしいというメッセージが込めており、ブランドキーワードとして「Simple」「Excellent」「New Basic」の3つを挙げている。分かりやすくシンプルでありながらも高品質の運航・サービスの提供を目指し、新しいベーシックな旅のスタイルを提供する移動手段となることを目標としている。

 一方、関西国際空港を拠点とするピーチは、同社のウェブサイトの中で「桃はカジュアルで身近なフルーツで、古来より長寿、繁栄、エネルギー、幸運のシンボルとしてアジアで愛されている。また、日本の桃はそのおいしさと形の美しさからアジアでも人気があり、そんな桃のように日本とアジアで愛されるエアラインとなり、誰もが簡単に旅行を楽しめるようなフライトを提供していきたいという気持ちがPeachという社名に込められている(一部抜粋)」と記している。最近のLCC各社は「身近な乗り物」をキーワードにブランド展開を進めている傾向があるといえる。

 バニラ・エアというブランド名はここまで順調に高い搭乗率をキープするピーチを手本にしているように思えるが、ブランド発表会でバニラ・エアの社長となるANA出身の石井知祥現エアアジア・ジャパン社長は「ピーチの良いところは吸収したい。両社が切磋琢磨して成長していきたい」と述べるなど、ANAが資本参加するピーチの成功事例を分析し、成田空港拠点の国内LCCを確立すべく、新たなチャレンジを始める意気込みを会見の中で感じた。名前もそういった点を踏襲しているように思える。

レジャー・リゾート路線を中心とする航空会社を表現するため、空と海をイメージして心地よい解放感のあるブルー、太陽をイメージして華やかさや楽しさを表すイエローの2色を採用し、バニラの花をかたどったロゴデザイン
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