釣れた魚を、1cmでも大きく見せたいと思うのは釣り人の性である。そこには考えぬかれた技があります、実は……
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 第二回は、あの手この手を駆使してやっと釣り上げた鱒を、1cmでも“大きく綺麗に”撮るためのポイントです。

 「釣りの話をするとき、両手は縛っておけ」というロシアの諺があったり、渓流魚である山女(ヤマメ)や岩魚(イワナ)は尺上(約30cmより大きい)かどうかがなぜかものすごく重要視されたりと、大きさにはこだわりを持つことが多いのが釣り師の性(さが)です。中にはご丁寧に“撮影専用”のミニチュアロッドとミニチュアリリースネットを用意している方がいるという涙ぐましい努力も聞いたことがあります。でも、じつはそんなところに、釣った魚を大きく見せる撮影方法のヒントが隠れています。

 釣った鱒だけを単独で撮る場合、大きさを比較できる物をそばに置くことが多いのですが、その置き方や角度で、写真に写る魚の大きさの印象は驚くほど変わります。魚を手前にロッドを奥に配置するとある種の錯覚で魚とロッドの間の距離感は感じなくなるので、手前の魚が実際よりも大きく見えます。決して、ごまかしではありません。遠近法の応用です。

ロッドを奥に魚を手前に置くと、目の錯覚で魚は大きく見える。雨鱒がくわえている緑色のモワっとしたものがフライだ
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