「長時間ランニングするとマメができて痛くなる」「ハーフマラソンを走り終わったあと、足の爪が真っ黒に変色していた」といった経験をしたランナーは少なくないだろう。

 実はこういったトラブルを解消するためにはランニングシューズだけでなく、ソックス選びもカギとなる。シューズと比較すると軽視されがちなソックスだが、直接肌に触れ、脚力をシューズに伝える重要な役割を担うもの。自分に合ったソックスを選べばより快適に走ることができ、自己記録の更新にも貢献してくれるはずだ。

 ひと昔前と比較するとランニングソックスは大きく進化しており、各ブランド独自のコンセプトを持った製品が発表されている。

日本人ランナーに愛用される“左右別設計の元祖”

 数多くの日本人ランナーに愛用され、高い評価を得ているソックスが武田レッグウェアーの「R×L SOCKS」。「右・左別立体設計靴下開発」の実用新案を1997年に取得するなど、ほかに先駆けてソックスの機能革新を進めてきたブランドだ。最近では5本指ソックスがランナーに受け入れられ、日本のロードレースでは高いシェアを占めている。

 そんなR×L SOCKSが最近打ち出しているコンセプトが「靴下超立体化計画」。つま先部分を親指側、小指側の長さや太さに合わせて立体的に編み上げ、靴下だけで足首が自立する特殊な製法を採用し、従来のスポーツソックスにはない高いフィット感が得られる。

 筆者が同ブランドのラインアップで特に注目したのは、ロンドン五輪の男子マラソン競技にも出場した藤原新選手も愛用している「TRR-10G」。このモデルは土踏まず部分の締め付けも適度で5本指タイプでもないので、ランニング初心者にも受け入れられやすいだろう。

 このTRR-10Gをはいて走ってみて感じたのは、つま先部分にゆとりがあり、長時間のランニングでも快適なこと。つま先部分のリラックスした感覚のはき心地は日々のランニング時に着用するにもおすすめだ。一方でアーチやかかと、足首部分はフィット感が高く、足とソックスがずれることがなかった。どちらかいうと薄手なので、レース時に薄手のソックスを選ぶことが多い日本人ランナーに合っているといえる。

R×L SOCKS「TRR-10G」(1575円)
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圧倒的な軽さを追求するタビオ

 日本ブランドのスポーツソックスではタビオもランナーの間で評価が高い。タビオはランナーからのフィードバックを忠実にプロダクトに反映する開発姿勢で、着実にシェアをアップさせている。

 最近、同ブランドが注力しているのが軽さで、代表的製品となる「レーシングランエアー3D」はたった26グラムという超軽量レース用ソックス。このモデルは指先のふくらみに合わせた立体的な編み方で、走行時の快適性を確保。かかと部分の面積を大きく編むことでかかとがずれにくく安定したはき心地となるYヒールに加え、アーチ部分のみを押し上げることで疲れにくくしたアーチサポート機能も装備。そのほかにも通気性、吸汗速乾性を兼ね備え、長時間のレースでも快適なはき心地をキープできるのだ。

 はいてみた感想としては、まず通気性の高さが挙げられる。筆者は以前より同ブランドのレーシングタイプのソックスを愛用しているが、それよりも明らかに清涼感が感じられた。前モデルより継続採用されている足裏部分のシリコンラバーによる高いグリップ性や特殊な編み方を施したかかと部分の高いフィット感も健在で、総合力の高いランニングソックスに仕上がっている。

「TABIO SPORTSレーシングラン・エアー」(左の3Dソックスが1575円、右の5本指ソックスが1680円)
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