今回は多くの企業から注目を浴びるミャンマーの基礎知識を、ミャンマー・ヤンゴンで起業し日本企業の支援などを手がける西垣充さんに解説してもらいます。

 この連載ではこれまで日本だけでなく、中国の若者についての記事も書いてきました(関連記事:TOKYO PANDA王衛落落)。さらに私がリーダーを務める博報堂ブランドデザイン・若者研究所では、中国以外の東アジア、東南アジアなどアジア全域の若者たちの研究およびマーケティング活動を行っていますが、これは過去に比べ、アジアの若者たちに共通項が増えていることが背景にあります。

「アジア」を見る=「若者」を見る

 グローバル社会になり、ケータイやインターネットが普及し、アジア中の若者が同じ商品、サービス、お店、コンテンツに接するようになりました。例えばスターバックスに行ってiPhoneを手にフェイスブックなどSNSをいじる若者たちは、アジア各国にもいる。それはつまりアジア中の若者たちの価値観やライフスタイルが、似てきていることを意味します。

 特に今、多くの日本企業に注目を浴びている東南アジアは、平均年齢が20代の国ばかり。東南アジアでマーケティングをするということは、若者たちにモノやサービスを売る、ということと全く同義なのです。

 これまで多くの日本企業は、日本で日本人向けに商品を開発し、それを海外に持って行って売っていました。現地のニーズに合わせ、多少改良していたものの、基本的には「跡付けの各国対応」が多かったでしょう。最近は現地のニーズに合わせ、その国(や周辺国)だけに商品を売る事例も増えてきています。

 しかし、これからは「アジア均一化時代」。日本人向け商品を海外で売る時代でも、各国向け商品を開発して売る時代でも既になくなりつつありますし、今後、この傾向はさらに加速していくでしょう。リージョンごとの対応は効率が悪く、時代遅れな面が出てきてしまうケースもあります。

 もともとエリア的に近く価値観のベースも似ているアジア各国の若者たちが、かつて以上に共通項を持ち始めてきている今だからこそ、若者研究所では、アジア全域の若者たちの価値観やライフスタイルの共通項を抽出し、彼らに共通に通じる商品のコンセプトや商品それ自体を開発しています。

 2012年度、私は世界70カ国100地域で根を張り生きる500人の日本人女性たちとのネットワークを持つTNCの小祝社長とともに、ミャンマー、タイ、ベトナム、インドネシア、マレーシア、フィリピン、台湾、韓国それぞれの若者たちへの家庭訪問調査を行い、現地の有識者やビジネスパーソンたちと対談を重ねました。

 その中からまずは「アジア最後のフロンティア」と呼ばれ、多くの企業から注目を浴びるミャンマーの基礎知識を、ミャンマー・ヤンゴンで起業し日本企業の支援などを手がける西垣充さんに解説してもらいます。

西垣 充氏(左)と筆者