先日、夏商戦向けの発表会を実施したばかりのKDDI。だがその直後、同社が昨年配布していたカタログなどにiPhone向け4G LTEサービスのエリア表記に誤記があったことが景品表示法に違反するとして消費者庁から措置命令を受けた。そしてその際に公開された人口カバー率の数値が大きな波紋を呼んだ。一部で誤解を招いているこの件について確認した上で、この一件から見える業界の問題について触れてみたい。

iPhone 5のLTEエリア表記の誤りが問題を招いた

 2013年5月20日に夏商戦に向けたauブランドの新製品・サービスの発表を実施したKDDI。だがその翌日、消費者庁から景品表示法に違反するとして、措置命令を受けたことを公表した。その内容が大きな波紋を呼ぶこととなった。

 発表内容を確認すると、KDDIが消費者庁から措置命令を受けたのは、LTEサービス「4G LTE」のエリア表記についてだという。同社は昨年配布した「au総合カタログ2012 11」と「au総合カタログ2012 12-2013 1」、そしてホームページ (2012年9月14日~11月30日)に、iPhone 5を含む全ての4G LTE対応機種について、受信最大75Mbpsの対応エリアを、2013年3月末まで実人口カバー率96%にする予定と記していた。

 だが実際は、iPhone 5向けのLTE対応エリアの中でも、75Mbps対応のエリアをそこまで拡大する予定はなく、2013年3月末時点におけるiPhone 5の75Mbps対応エリアは実人口カバー率14%であったという。このことが景品表示法に違反するとして、措置命令を受けたようだ。

 この措置命令を受け、KDDIでは新聞に謹告文を掲載するとともに、ホームページ及びau販売店にお詫び文を掲載した。また、再発防止策として、広告チェック体制の強化や内部監査などを実施していくとしている。さらに田中孝司社長ら6人が、責任として3カ月間の報酬を一部返上すると公表している。

 この件が明らかになったことで大きく注目されたのは、iPhone 5の75Mbps対応エリアの整備が、実人口カバー率で96%ではなく、実際は14%だったということだ。表記された数値と実際の数字の落差が非常に大きかったことから、専門メディアだけでなくテレビの情報番組などでも取り上げられたほか、数字が独り歩きして「auのiPhone 5のLTE対応エリアは14%」という誤解が広まるケースも見られた。

2013年5月20日に夏商戦に向けた新商品・サービスの発表を実施したKDDI。だが直後に消費者庁からの措置を受け、その公表内容が大きな波紋を呼んだ
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