雑誌「日経エンタテインメント!」のコラムと連動するこのコーナー。毎月、1つのお題に沿って、これから大ブレイクしそうなニューフェースをピックップし、マーティが集中的に聴き込みます。『日経エンタテインメント!』では、そのなかでも特にユニークだという「イチ推し」を中心に紹介。そして、こちらの「日経トレンディネット」では、雑誌で紹介し切れなかった「さらにオススメ!」のアーティストについて、その魅力を語ります。

 今回は、ここ数年の間にインディーズシーンで人気を集めて、最近メジャーレーベルからデビューしたばかりという、注目の男性バンド5組をピックアップしました。

 5組のバンドを聴き比べてみて、最初に気づいたのは、どのバンドの演奏にもJ-POPならではの“ポジティブ”なエネルギーが溢れていることです。洋楽だと、特にギターロックのバンドはもっとダークでネガティブな音楽に向かうことが多いんだけど、J-POPのバンドからは、音楽を演奏していることの純粋な“楽しさ”が伝わってくるよね。それって本当に素晴らしいことだと思うよ。

 そんな5組のバンドの中から、僕が「今月のイチ推しニューフェース」に選んだのは、今年4月にメジャーデビューしたSiMです。パンク、メタル、レゲエなど、いろんなジャンルのかっこいい部分だけを融合させて生まれた彼らのサウンドの魅力については、雑誌『日経エンタテインメント!』6月号で詳しく紹介しています。

 そして、ここではさらに、4組の注目バンド(In 197666、SAKANAMON、グッドモーニングアメリカ、WHITE ASH)をチェック。それぞれのサウンドの特徴や聴きどころに迫ってみたいと思います。

In 197666
『Fly』
同じ高校に通った西(Vo/Gt)、三浦(Dr)、原(Ba)が中心となり、バンドを結成。数回のメンバーチェンジを重ねた後、12年7月に森下(Gt)が正式加入し、現在は4人編成で活動中。11年12月にTOWER RECORD/amazon限定でリリースしたインディーズデビューシングル「IQ:64(あいくるしぃ)/from Snow…」は、タワーレコード渋谷店のデイリーチャートで1位を獲得した。
「Fly」は、今年4月3日にリリースされた6曲入りのメジャーデビューミニアルバム「(No)My Destiny」からのリードトラック
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 このIn 197666は、まずなんと言っても、バンドのネーミングが面白いね。「666」は悪魔の数字だから、聴く前は「70年代+ホラーっぽいサウンドなのかな!?」と思ったけど、実際に聴いてみたら、どっちとも全く関係ありませんでした(笑)。むしろ、音楽的には悪魔の“正反対”。さわやかで、誰からも愛されそうな王道のポップロックだね。

 曲の構成も、J-POPの定番の“メリハリ”をうまく使っています。クライマックスに進むにつれて、じわじわと盛り上がっていく展開なんだけど、全体の起伏をしっかり作り込んでいるから、途中でダレないんだよ。ボーカルも情熱的で正統派のかっこよさだから、女の子のファンも多そうです。

SAKANAMON
『シグナルマン』
07年に結成され、09年に現在の3人編成(藤森・Vo/Gt、森野・Ba、木村・Dr)での活動開始。バンド名は「聴く人の生活の“肴”になるような音楽を作りたい」という思いを込めて命名。11年9月にリリースした1stミニアルバム『浮遊ギミック』は、タワーレコードの「タワレコメン」に選ばれた。12年12月には、1stフルアルバム『na』でメジャーデビューを果たした。
「シグナルマン」は、今年4月17日にリリースされたメジャー1stシングル。
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 SAKANAMONは、最初のIn 197666以上に日本的なバンドだね。どのへんが日本的かというと、一番の特徴は、ロックなのに、曲全体の印象が“ハッピー”で、元気なエネルギーがいっぱい詰まっていること。あと、音楽のもっと具体的な点でいうと、リズムギターの音があんまり聴こえなくて、代わりにメインのギターが忙しめの“おかず”っぽいフレーズをいっぱい弾いている点も“J-POPあるある”な特徴です。

 この曲の一番の聴きどころは、ものすごくキャッチーなサビのメロディーです。どこかの国の国歌みたいにシンプルで、力強いメロディーだから、一度聴いただけですぐに耳になじむんだよ。歌詞のポジティブなメッセージも楽しいし、野外の夏フェスで演奏したら、大盛り上がりになりそうだね。