スクール水着をはじめとする学校用水泳用品でトップシェアを誇るのが、足あとマークで知られるフットマークだ。この春、かわいらしさを追求した斬新なデザインのワンピース型スクール水着「ダブルフレアスカートワンピース」を発売し、インターネットや新聞などで大きな話題となった。

 ダブルフレアスカートワンピースについて調べていくうちに、スクール水着自体も以前と比べてトレンドが大きく変化していることが分かった。「スクール水着は、地味なデザインで紺色のワンピース水着」……と、多くの読者は連想するかもしれない。だが、それはひと昔前の話。イマどきの主流は「セパレーツ型」だ。女の子にとって最大のメリットは、太ももを隠す「股下」があること。

 児童や生徒がプールの授業で着る水着には、現在、2つのカテゴリーがある。1つは、各学校がブランドやデザイン、カラーを定める「指定水着」。もう1つは、「この水着」と定める学校指定がなく、例えば「無地の紺か黒ならなんでも可」といった最低条件に合う水着を各自が市販品から選ぶ、というものだ。

 前編は、学校の指定水着における変化と、その最前線スタイルを紹介。後編では、“水着自由化”の傾向に対応して登場した斬新なダブルフレアスカートワンピースを取り上げる。

「おむつカバー」を頭に被って「水泳帽子」を思いつき、水泳用品を作り始める

 フットマークは、水泳帽子や水着など学校用水泳用品の製造卸を主事業とするメーカーである。水泳帽子の売上高は国内シェアの50%以上、スクール水着は18%(自社調べ)を占めるトップブランドだ。もともと1946年創業当時は、赤ちゃんの「おむつカバー」の製造業だった。だが夏場はムレるなどの理由で売り上げが落ち、やがて米国から入った紙おむつに押され、需要が伸び悩む。そこで思いついた新アイテムが、「水泳帽子」なのだという。

 「おむつカバーは伸縮性と防水性という、特性も機能も異なる2枚の生地を縫い合わせます。この特殊な縫製技術を生かせる商品がほかにないかと考えたところ、おむつカバーと同じ素材で同じ縫製技術をそのまま使えたのが水泳帽子でした」。同社広報室の吉河祐子さんは、さらに「ウソみたいな本当の話ですが」と前置きし、「現会長がおむつカバーを頭に被ってみると、フィット感があり、被り心地がとてもよかったそうで(笑)、それが今のメイン事業の始まりです」と話す。

 同社は、学校用の水泳帽子の製造開始(1969年)に続き、水着の製造(1977年)もスタート。以来40年近く、スクール水着の製造販売を手がける。その市場に変化が起きているという。

 以前は制服と同様、学校ごとに指定水着があったが、10年ほど前から「紺か黒の無地ならなんでも可」という“水着自由化”が地域によっては進んでいる。「現在、学童が着る水着の約4割は自由です。指定水着が減って数が売れなくなり、生産を止めたメーカーが続出。残ったのは3社ぐらいでしょうか。紺か黒に限定されるスクール水着は、デザインや機能で差異化を図るしかありません」。同社水泳販売部 スクール販売 部門リーダーの白川純也さんは、生き残りのむずかしさを指摘する。

スクール水着、今や「ワンピース型」は少数派!

 変化は、女子用スクール水着のカタチにも顕著に見られる。かつては「ワンピース水着」が一般的だった。

ワンピース型スクール水着の例。写真は身長130cm用で、小学校1~2年生が着る
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「フットマーク」のロゴ入り
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まだ小さな子どもなので、胸にパッドは付けない
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 前出の白川さんによると、スクール水着でワンピース型が主流だったのは1990年代まで。2002年、フットマークはスクール水着では初めて「セパレーツ型」を発売。5年後の2007年には、セパレーツ型の需要がワンピース型を上回り、現在、販売枚数ベースでセパレーツ型とワンピース型の比率は7対3だという。

 セパレーツ型は、小学1年から高校3年の女子が対象だ。デザインは同じものを、サイズは身長120cm用から6Lまでそろえる。男子はボトムのみ着ける。

 女子も、中学生になればサイズはSかM。体形は大人とほとんど変わらない。規格外の6Lも成人女性と同じ基準で製作する。「体が大きいと、その子だけ水着がなくてプールに入れない、という事態にならないように用意しています。6Lまであれば、どんなに大きくてもたいていは間に合いますから」と白川さん。

ノースリーブタイプのセパレーツ型スクール水着の例。「すまいるスイムシリーズ」セパレーツ上2310円~2730円、セパレーツ下1785円~2205円
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