Q3 ピロリ菌の検査では胃カメラが必要?

 健診でピロリ菌の検査をする場合は、Q1で先ほどご説明した胃カメラを使わない検査方法で検査できます。また胃がんのリスクを調べるためにピロリ菌の血清抗体検査と胃の萎縮を調べるペプシノーゲン検査(同じく採血でできます)と組み合わせたABC健診を市民健診に採用している自治体もあります。

 しかし、胃の不調を訴えて、保険でピロリ菌の検査をする場合には、潰瘍の場合は胃カメラ、またはバリウム検査。胃炎の場合は胃カメラでの診断が必要です。どちらにしても、その胃の不調の原因が、がんでないかどうかを胃カメラで調べておくことをお勧めします。

胃カメラは苦しいからと敬遠しがちですが、胃の中の様子が非常によく分かります。例えば、正常な胃の場合(写真A)は、表面にヒダがはっきり分かるのに比べて、萎縮性胃炎の場合(写真B)、胃の粘膜が薄くなり、白っぽく、ヒダも消失しています。胃カメラでは、このように粘膜の様子を直接観察できるので小さな胃潰瘍の診断や胃がんの早期発見にも有用です。

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 最近は、眠り薬を使った胃カメラや鼻から挿入する胃カメラなどがあり、選択肢が増えていますので、医療機関にご相談ください。

Q4 ABC健診って何?(ピロリ菌が住めない胃ってあるの?)

 胃がんリスク健診とも呼ばれ、ピロリ菌の血清抗体検査と胃の萎縮度を調べるペプシノーゲン検査を組み合わせたものです。採血だけでできる簡単な検査ですが、A~Dのグループに分けて、胃がんの危険性を評価します。

ABC分類 A B C D
ピロリ菌抗体検査
ペプシノーゲン検査
年間の胃がん発生頻度 ほぼ0人 1000人あたり1人 500人あたり1人 80人あたり1人
現在の状態 ピロリ菌もいなくて胃の萎縮も進んでいない状態 ピロリ菌はいるけれど胃の萎縮はあまりない状態 ピロリ菌がいて胃の萎縮も進行している状態 胃の萎縮が進みすぎて、ピロリ菌も住めない胃の状態
胃カメラ検査の有無 不要※ 必要 必要 必要
除菌治療の有無 不要 必要 必要 医師と相談を
※特に症状がない場合

 A群はピロリ菌もいなくて胃の萎縮も進んでいない状態で、特に症状がなければ胃カメラの必要もありません。B群はピロリ菌はいるけれど胃の萎縮はあまりない状態。C群はピロリ菌がいて胃の萎縮も進行している状態。BC群ともに胃カメラ検査と除菌が必要です。D群に関しては胃の萎縮が進みすぎて、ピロリ菌も住めないような胃の状態で、必ず胃カメラが必要です。D群の除菌に関してはまだ一定の見解はなく、ピロリ菌に詳しい医療機関にご相談ください。