今回は、ノマドワーク(ノートパソコンやスマートフォンなどを活用して、オフィスだけでなくさまざまな場所で仕事をするワークスタイル。ノマドは英語で「遊牧民」)を提唱している安藤美冬さんと、若者や新しい働き方について対談させていただきました。

安藤美冬
あんどう・みふゆ。1980年生まれ、東京育ち。スプリー代表。慶応義塾大学卒業後、集英社にてファッション誌の広告営業と書籍単行本の宣伝業務経験を積み、2008年には社長賞を受賞。2011年1月独立。ソーシャルメディアでの発信を駆使し、一切の営業活動をすることなく、多種多様な仕事を手がける独自のノマドワークスタイルが、TBS系列『情熱大陸』で取り上げられる。『自分をつくる学校』の運営、野村不動産やリクルート、東京ガスなどが参画する新世代の暮らしと住まいを考える『ポスト団塊ジュニアプロジェクト』ボードメンバーのほか、スマホ向け放送局『NOTTV』でのレギュラーMCや連載の執筆、講演、広告出演など、企業や業種の垣根を超えて活動中。処女作『冒険に出よう』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)は発売一週間で7万部突破

原田曜平(以下、原田):ご自身の体験をもとに、ソーシャルメディア時代の新しい生き方を提案する著書『冒険に出よう』が売れているようですね。受けている理由をどう分析されていますか。

安藤美冬(以下、安藤):1つはターゲット設定の明確さにあると思います。実際は20代~40代後半くらいまで幅広い世代の方に読んでいただいていますが、ターゲットは「ビジネス書を普段読まない、入社3年目までの若者」としました。文字数は6万字程度とビジネス書としては少ないですし、パッと見た感じでは漫画なのか新書なのかわからないくらいライトにしています。構成については、実はAKB48を参考にしました。AKBの人気は、彼女たちが秋葉原の小さな劇場からデビューし、7年かけて武道館をいっぱいにするまでの、喜怒哀楽のストーリーの賜物。だからこそ、これだけの共感と応援を呼んでいるのだと思います。なので、私も1人の女性が泣いて笑って苦悩しながら自分の働き方を見つけて行くストーリーをドキュメンタリー形式で書きました。自分の失恋話や、うつになったときのエピソードまで赤裸々に書いています。こうしたビジネス書らしくないところが、受けているのだと考えています。

原田:安藤さんは、大学卒業後は、集英社に就職して広告営業をされていたと聞きました。

安藤:もともと、ブランディングやPRの仕事に興味があり、集英社では営業職である広告部と宣伝部を経験しました。広告部は、他社の製品をお金をいただいて自社の媒体で宣伝する仕事、宣伝部は自社の本をお金を払って売る仕事で、この2つは全く逆の作業。客観と主観、両方の宣伝手法を経験できたことは大きかったです。独立し、自分自身を「商品」ととらえたときに、広告と宣伝の経験が活かされています。