日本でも音楽配信の定額聴き放題サービスが普及しつつあり、世界最大手、スウェーデンの「Spotify(スポティファイ)」も日本への上陸も間近と言われる。ただ、こうした定額制の音楽サービスが普及した場合の最大の問題点を忘れてはならない。音楽を作る肝心のアーティストがより一層の苦境に陥りかねないのである。

定額聴き放題サービスの普及状況

 米国では、当然ながら日本よりも一足早く音楽配信の定額聴き放題サービスが普及している。ネットが普及するに伴ってCDの売り上げが急速に落ちるなか、アップルなどが1曲単位のダウンロードという有料音楽配信のビジネスモデルをネット上で確立したが、わずか10年たらずで今度は毎月定額を払えばストリーミングで何曲でも聴き放題というビジネスモデルが優勢になりつつあるのである。

 そして、その米国では実際に多くのユーザーがネット上で定額聴き放題サービスにシフトしつつある。平均的なユーザーは、これまでアップルのiTunesで曲を購入してダウンロードするのに毎月30ドル払っていた(20~30曲を購入)のが、スポティファイのサービスなら毎月10ドル払えば無制限で聴き放題になるのだから、こうした動きも当然と言えよう。

 即ち、当たり前のことではあるが、CDからダウンロード、そしてストリーミングへと音楽のビジネスモデルが進化するに伴い、ユーザーからすれば音楽の価格がどんどん安くなっているのである。

 だからこそ、スポティファイは既に世界17カ国でサービスを提供し、無料サービス(広告が入り、聴ける時間に制限)を含めたユーザー数は2000万人、うち5~10ドルを払う有料ユーザー数は500万人に達している。同様の定額聴き放題サービスを提供する米国の「Rhapsody」も100万人の有料ユーザーを擁しているし、同じく米国の「Rdio」もユーザー数こそ公表していないが世界17カ国でサービスを提供している。

日本にも定額の音楽配信サービスが始まっている。画面はソニーの「Music Unlimited」
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