雑誌『日経エンタテインメント!』のコラムと連動するこのコーナー。毎月、1つのお題に沿って、これから大ブレイクしそうなニューフェースをピックップし、マーティが集中的に聴き込みます。『日経エンタテインメント!』では、そのなかでも特にユニークだという「イチ推し」を中心に紹介。そして、こちらの「日経TRENDY Net」では、雑誌で紹介し切れなかった「さらにオススメ!」のアーティストについて、その魅力を語ります。

 こないだAKB48が「ユニット祭り」のライブイベントをやっていたけど、J-POPの世界では、ロックバンドにしてもアイドルグループにしても、複数のユニットを掛け持ちしているアーティストが多いよね。

 僕自身も、メガデスで活動していたころにメタルとは真逆のソロアルバムを作ったり、ソロになってからも、いろんな別プロジェクトに参加してきました。やりたい種類の音楽がたくさんあるから、一つのジャンルに縛られるなんてもったいないじゃん。最近ではあまりにいろいろやりすぎて、何がメインの活動なのか、自分でも分からなくなってきてるくらいだよ(笑)。

 そこで今月は、最近のJ-POPシーンで話題になっている5組の「別ユニット」をピックアップしてみました。EXILEさんや大塚愛さんを筆頭におなじみの人気アーティストが勢ぞろいしているけど、別ユニットを始めた理由やサウンドの方向性は、それぞれに違っています。

 この5組の中で、僕が「今月のイチ推し」に選んだのは、バンドじゃないもん! です。神聖かまってちゃんの女性ドラマーのみさこさんが立ち上げた、世界初“ツインドラムあいどるプロジェクト”の楽しい音楽については、雑誌『日経エンタテインメント!』3月号で詳しく紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。

 ここではさらに、Rabbit、THE SECOND from EXILE、地球三兄弟、The Beatmossという4組のサウンドをチェック。ふだんの活動とはひと味違う、別ユニットならではの魅力に迫ってみようと思います。

Rabbit
『Nikki』
元JAGATARAの南流石を中心に、大塚愛、佐藤タイジ(THEATRE BROOK)らが参加して誕生した新バンド。当初は6人のメンバーで結成されたが、ジャンルを超えて仲間を増やしていくというコンセプトのもと、アートディレクターや映像監督なども加わり、総メンバー数は現在も増殖中。2月から初の全国ツアーも開始した。
『Nikki』は、12年12月12日に発売されたデビューアルバム『裸人』からのリードトラック
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 この曲は、まずなんと言っても、大塚愛さんの存在にびっくりしました。僕にとって大塚愛さんは、J-POPの世界にハマるきっかけを作ってくれた、思い出のアーティストのひとりです。『さくらんぼ』の頃の彼女は、パンクっぽいイメージのギターロックにかわいいボーカルを乗せて歌うスタイルだったけど、洋楽の世界では絶対にありえない組み合わせで、大感激したんだよ。

 でも、この曲は、もし事前の情報がなかったら、愛さんが歌ってることに気づかなかったと思います。『さくらんぼ』の頃の声と比べると、ここでの彼女のボーカルはずっと大人っぽく進化してるじゃん。

 曲全体の印象は、キャッチーなリフを中心に構成された、少し70年代っぽいギターロックソングだね。これはたぶん、ギタリストの人が中心になって作り上げていった曲なんじゃないかな。大塚愛さんと佐藤タイジさんの掛け合いボーカルもかっこよくて、彼女の新しい一面を見た気がしました。このユニットへの参加を経て、愛さんのソロ活動が今後どう進化していくのかも楽しみだよ。

THE SECOND from EXILE
『THINK'BOUT IT!』
EXILEに後から加入した二代目J Soul Brothersのうちの5人(KENCHI、KEIJI、TETSUYA、NESMITH、SHOKICHI)で結成されたダンス&ボーカルユニット。12年7月1日、EXILEの全国ドームツアー最終日に、EXILE TRIBE(EXILEメンバーのソロプロジェクトや派生ユニットの総称)の新ユニットとして結成が発表された。
『THINK'BOUT IT!』は、12年11月7日にリリースされたデビューシングル。映画『悪の教典』主題歌
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 このTHE SECONDは、EXILEから生まれた派生ユニットです。と言っても、曲のクオリティーは、デビュー曲とは思えないくらい、すべてがA級に仕上がってるから、本家のEXILEの曲と比べても、ほとんど引けを取らないんじゃないかな。

 音楽的にいちばん面白く感じたのは、ボーカルのコーラスだね。特にハモリのアレンジが凝っていて、2人だけじゃなく、3人、4人、5人……っていう人数の厚みを感じるパートが多いから、映像なしで曲だけを聴いてる人にも、「ライヴ感」がガンガン伝わってくるような作りなんだよ。

 曲全体の構成は、J-POPとK-POPのおいしいところをうまく融合してます。「Think about it」っていう英語の歌詞を何度も繰り返すサビの部分はちょっとK-POPっぽくて、すごくキャッチーなフックだね。

 でも、そのサビ以外のメロディーはけっこう複雑で、「山」と「谷」の部分の高低差が激しいドラマティックなボーカルを楽しめます。ものすごく歌唱力の高いパフォーマンスだから、一般の人がカラオケで歌うのは難しいんじゃないかな!? 曲全体の環境は完全にデジタルワールドだけど、オートチューンの加工に頼らないで、本物のボーカルで直球勝負しているところが、さすがEXILE魂だね。