羊羹せっけん(小倉・鶯セット箱入り、4200円\)。小倉は、甘草と栗の渋皮から抽出したエキスを配合。ツバキの香り。鶯は、お茶やよもぎから抽出したエキスを配合。香りは若竹。紅白の大福せっけん(紅・白セット箱入り、4300円)は近日発売の予定(画像クリックで拡大)

 羊羹や大福と見まがう石鹸、「縁美」(ゆかりび)が人気を集めている。しかも販売しているのが深澤製餡所(栃木県栃木市)という餡を作る会社だから話題性は倍増する。石鹸の原料に、こしあんを作る際に出る小豆や白いんげんの皮(殻)を再利用していることと、そのユニークな形状から発売前からメディアの取材が20件近くあるなど注目を集め、2013年1月9日に同社ウェブサイトで販売開始後は当初予測の2倍以上の勢いで売れているという。

 縁美には羊羹(小倉と鶯の2個セット)と大福(紅と白の2個セット)の2タイプがあり、触感とおいしそうな見た目は思わず口に入れたくなるほどリアルだ(現在は羊羹のみ先行販売中)。石鹸は和菓子と同様に贈答用に使われることが多いことから、高級感のある箱入りのパッケージに仕上げた。

 原料の一部に豆の皮を使用しているので、スクラブ効果があるという。さらに、お茶の葉やよもぎ、栗の渋皮、桃などの自然由来の成分、ヒアルロン酸やコラーゲンなどの美容成分も配合、桜やツバキ、若竹、柚子など和の香りをつけたのもこだわりのポイント。

 350種類もの餡を製造する同社が廃棄物する豆の皮は年間約370トン。家畜の飼料などに提供しているが、そのまま捨てる量も多く、有効活用する方法を探すなかで生まれたのが縁美だ。当初はバイオプラスチックやバイオエタノールに挑戦したが、実現には至らなかったという。「柔らかい石鹸を作る技術を持つ静岡の化粧品メーカーと提携し、本物の大福や羊羹のような触感と小豆の皮のスクラブ効果を持った“石鹸”に辿り着きました」と、同社管理部の田野直行氏は語る。

 購入者の中心は60代~70代の男女。個人の購入者に加え、顧客からの注文で知ったというバラエティショップや、店舗で販売したいという県内のエステなどからの問い合わせもあるという。「近日、紅白の大福のセットも発売しますので、お中元やお歳暮だけでなく、ブライダルの引き出物や入学、卒業、還暦などのお祝いごとに使って頂きたいですね。今後は百貨店の店頭などにも販路を広げることを検討しています」と田野氏。高級感があって実用的、さらに“驚き”から訪問先での会話のきっかけにもなるユニークな和菓子石鹸なら、素敵な“ご縁”を結んでくれそうだ。ただし、あまりにもおいしそうなので「食べないで!」とお伝えすることをお忘れなく!

(文/池田明子=JVTA)